ローマ帝国 カリグラ:狂気の皇帝

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 第3シーズンを見る。カリグラについての物語だ。全4話。第1シーズンから1話ずつエピソードが減っているのはなんだ。人気無いから予算でないのか。カリグラの活躍した時代のせいかな。ローマ帝国の第3代皇帝となったのが37年。41年に殺されてるのでその治世わずか4年。4年の僅かな間に後世まで延々と語り継がれる伝説的悪行を残したということか。カリグラの名前は、今は狂気、暴君の代名詞とも言える言葉として知られていると思うのだけど、むしろそのイメージの方が先行していて、カリグラがどんな人物なのか、ということはもしかしたら知られてないのかもしれない。皇帝だったことすら微妙かも。どっちかというとファンタジーとかゲームとかで、悪役に与えられる名前がカリグラだったりして、イメージの方から入るのかも。自分のことですけどね。ええ。そんなわけでカリグラの生い立ち、人間関係や、狂気の皇帝と呼ばれるまでの物語はとても面白かった。もちろんWikipediaで史実との照らし合わせをしながら。これが楽しい。カリグラの父であるゲルマニクスは、どうやらマラリアであったというのが昨今の研究らしいのだが、本作の中では、ティベリウスによる暗殺ということになっている。これはまぁもちろん物語を盛り上げるための仕組みだろう。実際そのように考えている歴史家もいるようだし。それによってティベリウスの妻である、大アグリッピナがその後にティベリウスと敵対した流れも自然に見えるし。またティベリウスが死んだのも、病没という味方が大勢であるようだが、カリグラが枕を押し付けて殺したのではないかという説を採用して物語が作られている。この辺り解釈の異なるイベントをどのように選択するかは、歴史ドラマものでの面白いところ。

 次のシーズンも楽しみにしています。やってくれるかな…。

ファーゴ

 「アルゴ」とごっちゃになる。語感が似てるだけ。なんとなく面白そうだなと思って選んで観始めたのだけど、これコーエン兄弟の映画だったのか。Wikipediaによると、

ハリウッドスターを数多く起用し、巨額の製作費を掛けた『未来は今』(1994年)では興行的に惨敗を喫したものの、捲土重来を期した次作『ファーゴ』(1996年)は批評家たちに絶賛され、兄弟に初のアカデミー賞脚本賞)をもたらした。海外での評価も高く、この作品で兄弟は二度目のカンヌ国際映画祭監督賞を受賞している。『ファーゴ』は2014年からTVシリーズ『FARGO/ファーゴ』となり、兄弟が製作総指揮を務めている。

wikipedia:コーエン兄弟

 捲土重来。語感が良い。ライターのセンスを感じるぜ。時々Wikipediaって聞いたこと無い四字熟語が使われてる。すぐに何って出てこないけど。
さらにWikipediaから引用。

コーエン兄弟制作の映画作品。ノースダコタ州の都市ファーゴとその周辺を舞台に、狂言誘拐をめぐる人間模様を描いたサスペンスストーリー。R15+指定。ジャンルとしてはコメディに分類される。
映画の始めに「これは実話である」(原文:THIS IS A TRUE STORY.)という一文が映るがこれも演出の一つで、実際に映画のような経緯を辿った誘拐事件が起きた事実はなく、物語は完全なフィクションである

 狂言誘拐を扱ったサスペンスものかと思って観てたのに、コメディって…。まぁコメディだよってのはなんとなくそんな雰囲気が随所にあるような気がした。字幕で観たのだが、セリフで執拗に「YEAH」を乱発するとことか。たぶん台詞回しの面白さがあるに違いない。違いないけど字幕だと伝わんねーな…。コメディって言葉のニュアンスに依るところが大きいのだろうな。吹き替えでみればきっと印象がもう少し違うような気がする。

 あと実話だよって明示してんのに本当はフィクションってなんかもう何が真実かわからないな…。これ本当はフィクションですよって、嘘ですよってどこでも言ってなかった気がするんだけど。実話だよ、って言うから信じたのにそれすら演出だよって。そういうのがアリになるとドキュメンタリー映画の信頼性が揺らぐのだが、そのへんの掻き混ぜ方もこの映画の魅力なのかなと思う。

病院坂の首縊りの家

病院坂の首縊りの家

病院坂の首縊りの家

市川崑監督はインサートがかっこいい。新房監督がさよなら絶望先生で多用していたように思う。絶望先生市川崑テイストが溢れてる。お話の面白さとか、仕掛けの巧さとかはまぁそんなに重要じゃないかな。このシリーズはキャラクターを楽しむ映画だし。桜田敦子さんが可愛かった。たぶん今の基準でみてもだいぶかわいい。パッツンメンヘラ女子(歪んだ視点)。

エリザベス

エリザベス [Blu-ray]

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 夜眠れなくてNetflixで視聴。音だけ聞きながら眠れるかなと思ったけど面白くなって結局最後まで観る。そうすると単純に眠る時間が少なくなって次の日寝不足。まぁそれは良い。最近2時に寝て2時に起きてる。流石に寝過ぎでは。暇人です。

 それはともかくとして。歴史をベースにした作品は、ネットで答え合わせしながら観るのが個人的に面白い。個人的に面白いって不思議な言葉だ。面白さとは主観的な感覚で個人的に面白い以外にあるものか!客観的に面白いって言うけどね。言うけど、それってあなたの感想ですよね?客観的に面白いと個人的に感じているわけだ。私は面白いと思ってないけど、客観的には面白いのでは?みたいな話なのかな。そんなひねくれた言い方する人いなそうだけど、実際はいるんだろう。ひねくれた人。

 閑話休題。とにかくネットで答え合わせしながら映画を観るのだ。新しい登場人物が出たらググって、その人物が歴史上どのような役割を果たした人なのか調べる。当然ストーリーのネタバレはある。でも構わない。歴史上の事実を映画化してるんだから、ストーリーなんて初めからネタバレしている。ネタバレしているストーリーやイベントをどのように脚色するのか、どのような演出によって構成するのか、そういうのが歴史を扱う映画の面白さだろう。

 吹き替えで視聴。主役のエリザベスは高畑淳子さん。女王になる前のエリザベスから物語は始まる。ロンドン塔に幽閉されたり。んで、その瑞々しさという点では高畑さんの吹き替えは、やや老け感はあるものの、次第に女王として肝が座ってくると、非常に雰囲気が出てきて素晴らしい。「国家と結婚している」というような事を言ったというエリザベス1世だが、劇中ではロバート・ダドリーとめちゃくちゃ恋仲でセックスもバンバン描写してる。男など寄せ付けぬ!みたいな人かと思ったらそうでもなかった。果たしてホントにそこまで親密な関係だったかは創作なのかもしれないが、Wikipediaによれば、結婚を餌に政治的交渉を仕掛けるようなところもあるようだし、政治的したたかさから結婚を利用していた人のようだ。こういうところも歴史映画の面白いところだ。歴史的な有名人はキャッチーなアフォリズムだけが独り歩きして、その人物像がむしろそこに引っ張られてしまう。

ラッカは静かに虐殺されている

 ドキュメンタリー映画。ISISとこのように戦っていた市民ジャーナリストがいたのか。淡々とした魅せ方だが、「ラッカは静かに虐殺されている」の人々が戦う熱い気持ちがすごい。正しく戦うジャーナリスト。尊敬する。

パリの恋人 冒頭で諦めた

パリの恋人 [Blu-ray]

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 ミュージカルを色々見ている。パリの恋人の導入がめちゃくちゃ納得行かなかったので、最後まで観ることができなかった。無理。パリに移動したところで見るの止めた。序盤も序盤だが。ファッション誌の強引なオバサンというキャラクターはまだ物語のための愚か者ということで飲み込んだんだけど、オードリー・ヘップバーンが全然かっこよくないオジサンにキスされて急に心変わりするあたりでご都合が過ぎてだめ。気持ち悪さすらある。そんで気持ち悪い勘違いおじさんと現像室で踊りだしてパリ行き決めて…。全部オードリー・ヘップバーンの気持ちを適当に忘れて進めていくのが嫌すぎる。オードリー・ヘップバーンめちゃくちゃ可愛いし、それだけでも見る価値あると思ったのに、やっぱりダメだった。共感できるところ全く無いし、怒りすら感じる。本屋めちゃくちゃにされたインテリなのに、キス一撃で恋に落ちるとか脚本バカすぎでは?時代の問題?1957年の映画。そんなに女の人がチョロい時代なの?気持ち悪いおじさんにキスされて?そこはビンタだろ。

出雲星系の兵站2

星系出雲の兵站 2 (ハヤカワ文庫JA)

星系出雲の兵站 2 (ハヤカワ文庫JA)

 続く2巻を読む。第1巻では未知の生命体ガイナスに挑んだ人類が辛勝して英雄を作った話(←ざっくり)だったけれど、今回はガイナスを舐めてかかったらボコボコにされる。無能な上官、油断、モブがどんどん死んで敗走。残された人々を独立して動いていた人々が救って英雄となる、てな話。大筋は面白いんだけど、ミリタリー要素にあんまり興味がないので、戦艦とか兵装の詳細とかだいぶナナメ読み…。1巻を読んだときの感想とほとんど同じだなぁ…。単に向いてないのだと思う。3巻が発売されているようだけど保留。

 次のSFはハイペリオンを読んでる。まだまだ初めの方なのだけど、独自用語の多いこと多いこと…。それが作品の雰囲気を作る要素なのだと思うけど、ちょっと苦労している。話自体は面白く読んでるのだけど。