南極料理人

 南極という過酷な環境の中でも人は生きるために食べなくてはならない。そんな「食」にスポットを当てた作品。てっきり環境と戦う過酷な食糧事情でも描くのかと思えば、そこには何ら我々と変わらない食卓があったりする。そんなギャップが面白い。もちろん南極であることの特殊さは変わらず、一歩建物を出れば極寒の大地が広がっている。しかし必ず人間はお腹が空いて、食卓に戻り、飯を食う。そのルーチンの描写が何故か心地よい。ご飯が美味しそうな映画ってそれだけでやられた!って思う。
 派手さは無いがとにかくじわじわ面白い。クスリと笑えるツボもいっぱい。生瀬さんときたろうさんの芝居がとにかく味があって好きだ。