- 作者: 飯山陽
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: 新書
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ISIS等に代表されるイスラム過激派なる人々は、我々からみればテロリスト集団なのだけど、イスラム法に則った国、カリフの復活等、理想的である側面があるようだ。しかもこの流れはインターネットという装置によって、世界中で活発化しているという話。仮にISISという個別の組織を壊滅させたところで、一度火がついてしまったその思想は燻り続けるということだ。なぜならISISはある側面、正しく理想的な存在だから。そのフォロワーが延々と生み出される。
本書には事実だけが淡々と示されていて、例えばイスラムの過激な側面とどう付き合えばよいのかとか、世界平和の為の解決法とか、そういう話は無い。でもそうだよね。だってこれどうしようも無い話じゃん。新興宗教ならともかく、世界三大宗教の一つだもん。人間の歴史の中にあまりに根深く入り込んでる。ただ長い年月が経過していく中で、これほどまでに情報や思想がタイムラグ無くつながる時代になったのは、ここ数十年のこと。このことが、もしかして破滅に転ぶのかもしれないし、世界と折り合いの良き思想を見つけていくのかもしれない。どっちに転ぶか不安すぎる。その不安のせいで最近眠れないのかもしれない。それは嘘だけど。眠れないのは本当。