科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス)
- 作者: 三田一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/06/20
- メディア: 新書
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タイトルが非常にキャッチーだと思う。「科学者はなぜ神を信じるのか」。つまりこれは科学者が神を信じていることが前提になってるよね。でも後半に出てくる人ほとんど神を信じてない気がする。前半に出てくる人たち、特にアインシュタイン以前はだいたい神を信じてる。コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ニュートン、ラプラス、この辺りの時代の人。でもこのへんは社会的常識としてキリスト教的思想がベースになってるわけだし、人に会ったら挨拶しようレベルで、全能なる神という存在がヒカリアレで天地創造であるというのが当たり前の共通認識なのではないか。その常識が崩れたのはいつなんだろ。あれ、崩れてたっけ?現代の日本人の感覚だとわからないな…。それはそれとして、本書でも触れられているようにアインシュタイン以降の科学者には、無神論者を自ら名乗る人もいるようで、確実にその流れがある。ただ本書のタイトルである前提に合わせる用に、科学者の言葉の端々を捕まえて「神」を信じていることにしている気がする。「神」の意味するところが中世の科学者と違うのでは。それこそ過去の「神」は天地創造で全能なヒカリアレで全ての法則をお作りになられた存在であると思うのだけど、近代の科学者が信じている「神」は、この世界をコントロールしている自然の法則そのものに対する比喩的表現ではないか。その比喩的表現を宗教的存在としての神と同列に扱うのなら、インターネットには神様だらけだぞ。
ここで新しく意味がわかった言葉。汎神論。
汎神論 - Wikipedia
まぁそれはそれとして、特に前半部の宗教と科学の関わりあいについての科学史としてのストーリーは大変わかりやすく、面白い。実際、中世の科学史は、ガリレオな有名なエピソードに代表されるように、教会や宗教、神との関わりの中で発展していたところがあるのだろう。あんまり真面目に理解しようとしてないので、アインシュタイン以降の理論はさっぱりだ。実際の物理現象として実感できないし、知覚できない現象や、数式上で表現された宇宙、虚時間宇宙だと…????そりゃまぁそんな状態をデザインしたとすれば、その存在は神ですねぇ…。んで、こういう言葉尻を捉えて「神を信じている」という話になってる気がする。