教団X

 遠い遠い昔にアメトーークの本好き芸人で紹介されてたのが最初の認識。不思議な表紙と「教団X」なる怪しげなワードがとても印象にのこった。確か又吉さんともうひとりくらい推薦していたような。だから尚更記憶に残っていて。しかしその後本屋で出会ったそれは異様に分厚かったので読むの大変そーってスルーした。ハードカバー版やつね。ああいうの読めるの凄いと思う。あんなにデカいと読みにくい。ボリューム云々は問題ではないんだけど、物理的な大きさが障害。読みにくいし、持ち歩き難いし。あちこち持ち歩いて少しずつ読みたいので、あの質量はダメだ。

 というわけで文庫本を手に入れた。手に入れたのいつだっけ…。買ってから随分かかって読み切った気がする。なるべく積んである本を崩してから新しいのを買いたいなと思っているんだけど、思っているだけでどんどん家に新しい本は増えていく。買うと心が豊かになるからだ。瞬間的に。豊かな気持ちになるだけで知識は豊かになっていない。きちんと読もう。


 複数の本好きが推薦していたということで、結構期待してたんだけど自分はあんまり楽しめなかった。最後にカタルシスがあるかなと思って頑張って頑張って最後まで読み通したんだけど、欲しいやつはなかった。自分が欲しいやつがなかったというだけです。多分違う感性の人にはハマるので本好き芸人が推薦するんだろう。途中まではミステリアスな要素や、なにか裏がありそうな人々、そして宇宙や物理の長い話なんかがあって、これがめちゃくちゃ面白く噛み合うんだろうなぁ…って思ったけどそうでもなかった。噛み合ってんのかもしれないけど…。後半の貧困や戦争の話は、それらの前フリがあんまり機能しているようには感じない…。登場してくる人々が様々な思想を持って現れて、その人々が延々と思想を述べる。だが、その思想のぶつかり合いが何かを物語を生んでる感じがしなくて、結局平行線で動いているように見えた。

 物語というより思想書のような印象。これを楽しめる感性が自分に無いって感じかなー。エンタメを求めて読み始めたので、構え方が違ったのかもしれない。キャッチャーミット構えてたらサッカーボール飛んできた感じ。キーパーグローブの用意が無かった。