- 作者: 春日太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/16
- メディア: 新書
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春日太一くんの著書「なぜ時代劇は滅びるのか」は、心からみんなに読んでもらいたい新書なんだ。
そして、多分おりに触れ、この内容に関してうるさいくらいに語って行かないと行けないという危機感を持ってる。
— 大地丙太郎 (@akitaroh) 2014, 12月 17
大地監督が心からオススメしていたので読んでみた。なぜ時代劇は滅びるのか、というタイトルの通り、ほとんど滅びつつある時代劇についてその分析を行うもの。ここでの題材は「時代劇」であるが、他の事にも共通する重要な示唆が含まれている。特に大地監督的な視点だとアニメだろうか。大きな産業となった時代劇がいつの間にか衰退し、テレビからも劇場映画からも姿を消した過程を、何故アニメが辿らないと言えるか。時代劇だって誰もここまで衰退するなんて思わなかったはずだ。似たような状況を辿っているのが野球中継。そういえば映画も。ドラマもだな。あれ、全部だな。
…思ったんだけど、衰退しているのは別に時代劇に限ったことじゃないと思う。ただ先に始まってたから先に終わるというだけで、そのジャンルにはなんらかの賞味期限のようなものがあって、皆が忘れた頃に復活したりするんじゃないだろうか。エンタメなんてまさしくファッション的な流行り廃りがあるのが当然で、映画だのテレビだのが今や一番の媒体じゃないし、逆にいつまでも時代劇が何も変化せずに生き残るなんてことには無理がある。むしろアニメなんて頑張ってる方じゃないか。
監督がいない、役者がいない、脚本家もいなけりゃプロデューサーもいないって文句の多い客が増えてくると、ジャンルが畏縮して客のご機嫌を伺うようになり、刺激が少なくてボンヤリした表現に落ち着いて、ますますつまんなくなって滅びる。そんなもんだと割りきっていい気がする。滅びて、でもやっぱり求められてまた新鮮な状態で復活する。
結論:つまんねーと思ったら延命じゃなくてトドメを刺しに行け!