BR 03-94 PHANTOM

 腕時計を買った。Bell&Rossのクロノグラフ。PHANTOMと呼ばれるモデル。四角いケースに真っ黒な文字盤。ゴールデンヘリテージと迷ったけど、結局オール黒の男の子的ロマン武器を選択。ロマン重要。ゴールデンヘリテージもきれいなインデックスに明るい革のベルトが上品で良かった。たぶん普通の大人はそっちのほうが汎用性がある。でもいいや、汎用性なんて。

 時間を確認するのは携帯で十分と思ってたのだけど、細かく時間を確認したい状況がよくあって、やっぱり手元ですぐに確認できる腕時計が欲しいなと思ったのが始まり。携帯を机の上に出しておいておいても腕時計と同じくらいすぐに確認できるけどバッテリーとかね…。スリープさせておくと、一度なんらかのボタン押さなきゃならんのも手間。そんで腕時計。

 どうせ買うならそこそこにちゃんとしたものを…と考えた。「そこそこ」を2〜3万くらいに考えて探す。実際そこそこってそんなもんだと思うんだけど、それはクオーツ式の話。機械式を視野に入れるとちょっと桁が違う。何を買うか雑誌で調べてながら機械式もいいなと思ったけど、そこまで最初に予算を考えてなかったので、クオーツ式にするつもりだった。最初に目を付けたのはBRAUNの腕時計。シェーバーで有名なBRAUNだけど、時計も作ってる。ドイツメーカーらしい、シンプルで機能美のあるデザインが気に入ったのでネットで見たり、店に見に行ったりして品定め。似たようなデザインで、TIMEXSKAGENなんかもいいなと思った。しかし決め手に欠ける。

 ぼんやりとやっぱりBRAUNかなと思っていたら、とある仕事でBell&Rossを付けた人に出会う。雑誌見てても、形とか他と違ってカッコイイなと思ってたのに、目の前に持ってる人がいる。見せてもらう。腕に当てたりして。これはイカン。激しく物欲が刺激される。そしてBell&Ross買うことが決まった。

 見せてもらったのは三針のBR03。クロノグラフは高いぞ!と脅かされて、なるほどそれなら三針モデルにしようと思った。そもそもクロノグラフのストップウォッチ機能って使うシチュエーション無いしな。必要のない機能に金を出しても仕方ない!ネットで色々品定め。カッコイイのでクロノグラフにしよう。そもそも機能性とかじゃなくて装飾品としての腕時計だし、機能性とかじゃなくてカッコよさを取るべきだな、うん。華麗な手のひら返し。柔軟性な。

 そんで正規とか並行輸入とか色々調べた。正規販売のメリットというか良さを理解したつもりだけど、しかしBell&Rossは並行輸入と値段の差がありすぎる。20万くらいある。こんなに差があると流石に正規販売品が買いにくい…。結局並行輸入品を売る店で買う。そこそこ有名店なので、偽物とかでは無いだろう。たぶん。判断つかないけど。

f:id:midorinote:20150823214115j:image

 「腕時計は刀のようなもの」「目端の利かない人間を相手にする必要があるのか」という、腕時計ネタになると時々引き合いに出されるマンガだけど、まぁ正直な話ぜんぜん同意できねぇなというのが身につけてみての感想。ただそこそこ値段のする道具を身につけてる喜びは確かにある。もっとエグい言葉にすると優越感な。人との関係は優越感ゲーム。幸せっていうのは自己顕示欲と承認欲求と優越感が大きく関係してると思う。で、高級な装飾品っていうのは、このあたりを満たしてくれる仕掛けなんだろうなと思う。だから高価格な腕時計をつけてる人間とそうでない人間の線引を、腕時計をつけてる側からしたがる。しょうもない話だ。しょうもない話だけど、確かにそういう機能を備えてるのは実感する。うむ。自分もただの人だ。

 しかしまぁ、この程度で満足してると雲上ブランド(優越感の王様みたいなエグい肩書だ)持ちが優越感ゲームに呼んでもいないのに参戦してくる気がするのでこのくらいにする。いま気がついたけど、優越感ゲームってのは向こうから勝手にやってきて、相手を貶めて嵐のように去っていく、そんな当たり屋みたいな行為だなと思った。似たような仕組みがtwitterクソリプというわけだ。フォロー外から失礼します。そんな大人にならないように気をつけたいです(小並感)。