ムカンノテイオー:どこまで描けるのか!

 暴走族総長だった平蔵が、ヒゲのディレクターに気に入られてテレビの業界に入る。平蔵はテレビ業界の底辺として有名なADとして働きながら、業界の「リアル」を知ることになるのだ…!

 昨今捏造、励ましの言葉だ、TBSだと特にテレビ業界におけるマスコミ批判がネットでは小さくない。昨今てか昔からだけど。最近特に溜まってきた膿が溢れている感じ。本当にテレビの、特にニュースやワイドショーはマトモに見れなくなった。全てが演出に見えるし、示される統計の数字すら信用ならない。この識者って野郎はホントの識者なのか?…考えたらキリが無い。

 そんな訳でムカンノテイオー。ギャグのテイストと「業界のリアル」を見せるシリアスさが絶妙にバランスしていて、見せ方が上手い。キャラクターも上手い感じに個性的で、平蔵は主人公らしく、アツくてバカで、しかも強運持ちで憎めないし、ヒゲのDは悪役っぽいけど人間を見る目はありそうだ。千夏さんは重要なキャラ。どこかの誰かみたいに女性らしからぬ荒っぽさがあり、厳しさと緩さのバランスが良い。正直幼なじみの立花さんの立ち位置が微妙だ。

 さてさて今回1,2巻同時発売だったわけだけど、これはアレか、修正が沢山入ったって事なんだろうか。コミックしか読んでいないので、ヤングガンガン版とどの程度違うか分からないので本当のことは分からないけど。圧力か!圧力かー!げんろんのじゆうー!

 やっぱりこの手のジャンルのマンガは、業界と関係の無い普通の人がその内情を知ることが出来ること、もっと言うと分かったような気分になることが一つの魅力*1。テレビの視聴率に対するエグさってのは他のメディアや作品でも散々語られてきたこと。でも必ずしもそういう汚い部分だけじゃ無いと思うんだよね。特に制作会社は。殿様商売の局は知らんよ?じゃぁ他に何があるのか?ココまでのストーリーは割と「想像できる範囲」を大きくは出ていない展開。それでもキャラクターの魅力でかなり面白くなっているけれど、我々の想像の及ばない、番組制作に対するエグさと情熱をバランス良く見せて欲しい。

*1:だって本当かどうかを確かめる手段が無いんだもの