死が最後にやってくる

 紀元前二千年のエジプト、というちょっと異色な舞台で展開されるアガサ・クリスティーのミステリ。とはいってもその時代背景が生きていたかというと特にそうでもない。冒頭の「作者のことば」にもあるように

といっても場所も年代も物語自体にとっては付随的なもので、どこの場所でいつ起こったとしても構わないものです。

 えーと。なら現代にした方がイメージのし易さから言っても共感が得られやすいんじゃないですかね。巻末の解説で突っつかれていたマックス・マローワンの件は冗談じゃ無いんじゃ…。

 とはいえやっぱりアガサ・クリスティーのミステリなのであり、とても面白く読めた。