ドクトル・ジバゴ

 2時間を超える映画を見るのには多大なカロリーを必要とする。長大な物語には長大になるほどの理由があり、長い長い助走の末に大きな跳躍があり、感動的な結末が待っている。が、その長い長い助走で疲れてしまう。飽きてしまう…。集中力が無いと言えばそれまでだし、とはいえその集中力を支えるだけの物語を持っていない作品の方にだって責任はある…と思う。集中力の持続時間については諸説あるが、2~3時間集中し続けるのは生理的に無理がある。助走の中にも緩急が欲しいわけですよ。
 そういう意味ではこの作品はよくできた助走だったと思う。さまざまな事件、時代の移り変わり、人間関係の変遷を経て、結末へ…緊張と平和の緩急で3時間退屈せずに一気に見終えた。まー、欲を言えば緩急のある魅せる助走の結末が結構地味な印象かなー、というのは気になる。あんまり無駄にドラマチックにしても露骨で興醒めなのかもしれない。このぐらいのじんわり感が良いバランスなのかも。

 しかしだ。3時間は長いよ。実時間は耐えられないのでVLCで再生速度いじって観たのだった。