はやぶさ/HAYABUSA

 はやぶさブームの中で雨後の筍のように制作されたはやぶさ映画。たけのこほどでもないか。でもWikipediaによると4本ほどあった。公開されていた頃はちっとも見なかったけど、ふと見てみることに。
 はやぶさのプロジェクトについては、大多数の人々と同じように帰還できそうだというお祭りムードになってから知った。大多数の人々、と括ってしまうのはちょっとアレか。主語が大きすぎるか。ともかく最後の美味しいところだけで盛り上がってた。でもプロジェクトスタートから帰還までの7年間に、あらゆるトラブルがあり、その度に解決し、大変な人々の数の大きな努力と苦労が重ねられていたであろうことは、想像に難くない。で、映画だけど、7年間の苦労というのをわずか140分に収めるのは非常に難しいよね、という話。勝手に7年間というのをこちらで美化している可能性はあるけれど、映画でダイジェストになったプロジェクトは薄味すぎるかなと思った。もちろん帰還したという事実が周知の事実であることもその一因であるけれど、トラブルの一つ一つがわりとあっさり解決していく印象だ。人々の苦労だとか、人類史上初の試みだとか重みに欠けているような気がする。でもまー仕方ないのかな。イオンエンジンがいきなり3つしかついてないことに対する説明がなかったりとか、いちいち拾ってるとキリがないあらゆる事態が起きていたのだよね。
 ただ、はやぶさプロジェクトを振り返るという意味では、無理な味付けのない俯瞰的なダイジェスト映画だったと思う。竹内結子の登場も悪くないと思う。ちょっとオタクっぽいキャラクター設定については謎だけど。あと良かったのは時々出てくる蛭子さんや狩野英孝生瀬勝久さんがラストで7年の年月を経ていたことだ。この人達なんの意味あるんだろうと思ってたけど、そのもやもやが回収されて個人的に満足した。