シティ・オブ・ゴッド

シティ・オブ・ゴッド [DVD]

シティ・オブ・ゴッド [DVD]

 リオデジャネイロのスラム街、神の街と呼ばれる地域で起こる少年たちの成長、ギャングたちの抗争を描く。初めのうちは銃が単なる脅しの道具でしかなく、実際に発砲する描写は少ない。銃を持っていることも特別だ。警察という存在も恐るべきものとして、ギャングは逃げ惑うし、何らかの秩序で生活は守られていた。だが物語が進むと、次から次へと人がゴミクズ同然に死んでいく。バシバシ撃って死んで、その復讐でさらに人が死んで、憎悪が憎悪を呼んでどんどんひどい状況になっていく。まさに戦争のような状態だ。戦争はギャングのボスがいなくなってしまう事によって終結するが、それは若いボスの誕生でしかない…という現実的な結末。

 実話がベースになっているらしい。役者も素人を多く起用しているらしいので、そういう生っぽさの再現に注力した映画であることが分かる。ちなみに吹き替えで見ると演技の素人っぽさはよくわからないが…!といっても外国語で素人っぽい演技をされても、日本人にはそれは伝わらないけどね!
 
 じゃんじゃん人が死んでいくので、あんまりこういう事いうのもなんなのだが、どこか情熱と爽やかさを感じる。もしかしてこれって彼らにとっての青春映画なのかもしれない、と思ったらそれはそれで納得するものがある。この映画にそういえば大人らしい大人は殆ど出てこない。みんな銃を手に青春を謳歌している少年少女なのだろう。銃ではなくカメラを手に入れた少年は、仕事も手に入れて大人へと成長した。そうして神の街からは姿を消していくに違いない。再生産される若いギャング達からもやがて外の世界に気づいて銃を手放す時がくると良いのだが。

 おお、良い事言った風!!!(我慢できなかった)