- 作者: 田中絹代
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2004/01/30
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
「むねかたきょうだい」。むなかたしまい、では無かった。観終わってからWikipediaで知る。
レトロな雰囲気、という事について考える。小津安二郎の映画は、今見るとやはりレトロな雰囲気を感じる。何をもってレトロを感じるか。まず分かりやすくこの映画だとモノクロであること。モノクロの上に、ざらついた感じの映像は時代を感じる要素の一つ。次に音声の質感。どのような機材なのかとかそういう事は分からないけど、最近のSN比の高いデジタル録音では無い。アナログテープを感じるヒスノイズ、高音域があまり出てなくてややくぐもった感じの音声。そういえば映画の音声がモノラル。でもモノラルにするだけだとあんまりレトロは感じ無いかな…。で、最後に芝居の質。これが大きいかも。そのまま現代に持ってきたら「棒読み」とでも形容されそうなほどに芝居が抑えられている。全体の抑揚とか、語尾の収め方とか。あとは男女の社会的な立ち位置から、女性の性格が全体的に奥ゆかしかったり。
しかし小津安二郎の映画は古くない。テーマとか物語自体は現代に通じるから。その辺がすごいところ。ちなみに時代を感じる「レトロ」と、作品の新鮮さという意味での「古い」というのは区別したい。「古い」作品は、その場の流行で作られたので、後からみるとつまんない。