史上最強の哲学入門

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

史上最強の哲学入門 (河出文庫)

 先日の東洋編に引き続き。西洋哲学編とも言うべきか。順番的にはこちらが先に出版されている。確かに東洋編で筆者が指摘していた通り、西洋では真理へたどり着く為の方法が東洋とは真逆だ。つまり東洋では「真理を得ました」という出発点から始まっているのに対し、西洋編では真理に近づくための方法を様々に思考している感じ。

 本書では4つのテーマで「真理」について解説がなされる。

  • 真理の「真理」
  • 国家の「真理」
  • 神様の「真理」
  • 存在の「真理」

 どのテーマもわかりやすく面白い…が、相変わらず哲学とは何を生み出しているのかよくわからない…。ただ国家のテーマに関してはちょっと現実社会と繋がっているような気がした。こうしてちょっとずつ理解していくものなのかもしれない。全部を一度に理解しなくてもいい…(自分に言い聞かせる)。ちなみに哲学とかなんか意味あんの?みたいな問いに対応しているのが、プラグマティズム道具主義の項目で解説されているような気がするな…と思ってwikipediaを覗いてみたけどなんかよくわからん話でやっぱり入門書のイダさを感じる。wikipedia:プラグマティズム

 よく日本人は議論が下手と言われるけれど、西洋思想と東洋思想、それぞれの特徴にその原因を求めることはできないだろうか。議論を積み重ねて真理にたどり着く西洋思想と、真理ありきでその教えを学ぶ東洋思想…!西洋人には議論が昔から根付いていたのだ!…って日本人以外の東洋の人って議論下手ですか?知らないのでなんとも言えませんね…。

 飲茶さんの本のおかげで哲学の本読むブーム来てたけど、ちょっと落ち着いた。というか違う視点で哲学を学ばないと、全然自分に入ってこないなという事に気がついた。つまり誰がどういう思想を持っていたとか、そういうのはあんまり意味が無い。現実の生活や問題を解決して、社会をアップデートするのに、哲学や思想がどんな役割を果たしてきたのかという実例をまじえた視点で理解したい。とにかく今のままだと机上の空論が過ぎて、なんもピンとこないのだ。(だから国家の「真理」はちょっと面白かった)