日本的なるもの:カーネル・サンダース

人形の誘惑―招き猫からカーネル・サンダースまで

人形の誘惑―招き猫からカーネル・サンダースまで

 カーネル・サンダース像を店頭に置くという、日本では勿論お馴染みのあの客引きマスコットは、日本以外ではあまり無いものなのだそうだ。本国アメリカの会社もそのことを知っているそうだが、その手法を取り入れるとか止めさせるとか、そういう手段は取らず「面白いことやってんな、日本人は…」くらいにしか思ってないんじゃないか、だそうである。確かに日本人には、人間で無いものに意志を感じ、崇拝する、ということを昔から行っていた。その最たるものが人形。やっぱり人の形をしている分、思い入れが強いのか。このことは外国人から見れば、大変面白い文化だそうで、そのルーツを知りたいと思いこの本を読み始めたのだが…

 この本は始めにカーネル・サンダース像に代表される人形、ペコちゃんやケロちゃん等に触れ、そこから招き猫等の昔からの招客招福人形に繋がる。最終的には性的なマスコットにまで話が進むのだが…いつの間にやら「日本独特」というキーワードが抜け落ちて、単なる招き猫の起源研究に終わってしまった。残念。


 日本人の文化や性癖をもっと深く知りたいなぁと思う。それを理解することがこれからに大きく生きる気がする…と言ったら大げさだけど、とにかく面白そうなので。