- 作者: ジュディ・バドニッツ,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2007/02/22
- メディア: 単行本
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最近「本が好き!」に登録して初めて献本頂いた。読みたい人に本を無償で提供し、その見返りにブログで書評を書くことでバスマーケティングを仕掛けるという仕組み。これは成功するとお互いに利益が出て凄いことになるなぁ。しかし自分のような末席ブロガーではな効果はアレかもしれないが…orz
そんなわけで空中スキップ。小気味良いリズムで語られる23のショートストーリーが収められている本書。訳者あとがきにもあったけれど
現実と異界の境界線を軽々と飛び越えてしまう奔放な空想力と、
荒唐無稽ななかにもユーモアのにじむ作風
というのが存分に感じられる。どれも似ていなくて、時に気持ち悪くておかしくて。飽きずに一気に読むことが出来た。また
これほどまでに奇妙な物語をつぎつぎと生み出す原動力になっているのは、
作者バドニックの並はずれて強靱な妄想力に他ならない
とあるように「妄想力」の感じられる話だらけ。「電車」という一人の乗客から始まる妄想の連鎖も見事だけれども、全く考えもつかないような奇抜な環境を構築していくところにそれを感じた。
中でも好きなのは「飛ぶ」というストーリー。本書に収められているストーリーの中でも4ページと飛びっきりに短いのだけど、少しでも高い場所から飛びたい女性の思いと、飛ぶことに対する怖さに対する意外な答えが印象的。ゆっくりとセピアの世界が回るように語られる一人語りの切り口が気持ちいい。
反対にあんまり好きになれないのは男女の関係を書いたストーリーかなぁ…。いくつか収められているのだけど、どれも「空想力」「荒唐無稽」と言うにはやや退屈。
しかしこんな本が無料で自分のモノとは…素晴らしい。
以下もくじ
- 犬の日
- 借り ← オススメ
- 秋冬ファッション・カタログより
- 道案内
- チア魂
- アートのレッスン
- イェルヴィル
- アベレージ・ジョー
- 飛ぶ ← オススメ
- 作曲家
- 公園のベンチ
- 百ポンドの赤ちゃん
- 本当のこと
- お目付け役
- バカンス
- スキン・ケア
- 産まれない世界
- レクチャー
- 電車
- パーマネント
- ブルーノ
- 焼きつくされて
- ハーシェル
- ジュディ・バドニッツ
- マガジンハウス
- 1995円
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