反★進化論講座 空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書:バカ本


 「本が好き!」から頂きました。



 さて私がこの教団、空飛ぶスパゲッティ・モンスター教の存在を偶然にもwikipediaで知り、そして「本が好き!」で発見して受け取ることになったのは主であるスパモンのお導きに違いない。本書は今まで幅を聞かせていた「進化論」というやつをバッサリと否定し、様々な科学的事実からスパモンの存在を明らかにするものだ。この本を読めば、スパモンの存在が否定できない事だと言うことに納得していただけると思う。

 さぁ!空飛ぶスパゲッティ・モンスター教に改宗したいとお考えの貴方は今すぐ東急ハンズに行って海賊なりきりグッズを買ってこよう。少なくとも眼帯は必要だ。そして豊富なタンパク質を含んだパスタを食べるんだ。


…さて本書で紹介されている空飛ぶスパゲッティ・モンスター教は、

カルト宗教の体裁をとったインテリジェント・デザイン説のパロディであり、IDを公教育に持ち込もうとするもくろみを批判・風刺するために著者ボビー・ヘンダーソンが創作したもの
訳者あとがきより

とあるように完全なる「妄想」だ。以前頂いた空中スキップ」でもその妄想力に驚いたけれど、FSMism(Flying Spaghetti Monsterism)の妄想力にはさすがに呆れた。妄想力というべきか馬鹿さ加減(誉め言葉ね)というべきか。でもFSMismが「馬鹿だなぁ」と感じるのならば、それはすなわちインテリジェント・デザインを同時に否定することになり、この教団の狙いがココにある。

 しかしこういう(「本書から学べることの一つのキモ」として訳者も挙げているのだが)対抗言説の試みは面白い。理論のおかしいところを理論的に否定していくのではなく、その理論に便乗して、大きくしてその弱さを際だたせる。これ、日常の何かにも応用出来そうじゃないか?

 それにしてもアメリカでは本当にインテリジェント・デザインなんて本当に教育に組み込まれているのかよ。キリスト教の影響が強いアメリカならではだな…(ID自体は科学とされているらしいけど、明らかに宗教の臭いがする)。政教分離の原則はどこへ行ったのさ。

 最後にとても面白かった著者と訳者のプロフィール。

著者:ボビー・ヘンダーソン
オレゴン州コーバリス在住の25歳。物理学で学士号を保有し、ラスベガスのギャンブル業界からいくつか引きがあった(本当、真面目な話)が、現在はフルタイムの預言者で身を立てている。2005年、空飛ぶスパゲッティ・モンスターがボビーの前に姿を現し、我は宇宙の真の創造主なりと明かした直後、彼は預言者となった。ボビーは、それがデタラメでないことを得心すると、カンザス教育委員会に手紙を出し、スパモン教を進化論やインテリジェント・デザインと一緒に、高校の生物学の授業で教えることを申し入れた。まったくがっかりしたことに、彼の啓示に対して教育委員会から何の返事もなかった。そこでボビーは、公開書簡をウェブサイト www.Venganza.org (www.FlyingSpaghettiMonster.comでも閲覧可能)に掲載した。するとすぐに他のパスタファリアンから連絡が入り始めた。全世界にヌードル触手に触れた者は1000万人いると推定されている。本書はボビーによる最初の宗教書である。


学士号とって予言者…しかしニートに希望あり。今すぐあっと驚く宗教を創始しろ。

訳者:片岡夏美
1964年生まれ。文学士号保有。現在フリーランスの翻訳者。2005年末に、空飛ぶスパゲッティ・モンスターのヌードル触手に触れる。訳書にはキース・ブラッドシャー『SUVが世界を轢きつぶす』、エリザベス・エコノミー『中国環境リポート』(いずれも築地書館)など、環境や社会問題を扱ったシリアスなものが多い。本人としては思わず吹き出すようなおバカな本を訳したいと堂々言っているのだ、空飛ぶスパゲッティモンスターとの運命的な出会いにより、今回もお堅い宗教書を翻訳することになった。


ちょwお堅い宗教書てw


反★進化論講座 空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書

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