神曲奏界ポリフォニカ:ラノベ体力を付けたい

 仕事上の関係で、人気のライトノベル(以下ラノベ)を押さえておきたい。ところが昨今のラノベの部数と言ったら多すぎてよく分からない。ラノベを初めて読んだのはブギーポップシリーズ。独特の世界観とブギーポップの活躍が気持ちよく、友人に既刊を借りて読んでいた。その後一旦落ち着いたけれど、マリア様がみてるシリーズだけは今も読んでいる。

 ラノベの良さは「ライト」とあるように内容が読みやすいこと。テーマはファンタジーであることが多く、その世界観にこそ魅力があり、人物の精神面に切り込んだ重い作品は少ないように思われる。*1しかしラノベは読む人に素養が求められるジャンルだとも思う。ラノベ特有の表現やキャラクターは、おそらくアニメ(特にヲタ向けアニメ)嫌いの人には読めない世界だと思う。多分拒否反応が出る。

 そんなわけで今回献本いただいたのは「神曲奏界ポリフォニカ」。なんと限定4巻セットという豪華っぷり。これ貰っていいのか!

 作者の榊一郎氏は「スクラップド・プリンセス」が有名。「世界を滅ぼす猛毒」と託宣を受け殺されそうになる主人公を刺客から守る、という剣と魔法のファンタジー。「廃棄王女」という設定が自分には新しく、世界を危険に晒しても一人の人間を守る、というストーリーが好きだった。

 そしてこのポリフォニカである。こちらも現在アニメ化されて放映中だ。

世界観
「精霊」と呼ばれるものが当たり前に存在する異世界。地球側の世界のパラレルワールドで、地球からポリフォニカ大陸に召喚されて来た人間も居る。ポリフォニカ大陸の科学レベルは地球の現代~近未来位で、現代科学の産物と似た物は大体存在している他、いわゆる未来都市も存在する。それと平行して、「神曲」を演奏して精霊の力を借りるという技術体系が発展している。この世界には何か大きな秘密があるらしく、精霊は人間達がいつか真相に辿り着くその時を待っている。(Wikipediaより引用)

 むー。正直言うとちょっと既視感のある世界観なのである。魔法(神曲)と精霊、科学技術…いかにもファイナルファンタジーではないか。スクラップド・プリンセスと比べるとやや設定の魅力に欠ける気がする。

 とは言え肝心の本編は結構読み応えがある。バイクや単身楽団(神曲を演奏するために必要な道具)といった装置といった、メカの描写は特に細やかで、金属の肉体を生き物のように書いている。著者のメカ好きが伺えるところだ。一方で人間の心理描写はやや物足りない気がする。やっぱり物語の面白さは人間描写であるので、ここら辺はもう少し欲しいところ。

 と、言うわけで他のラノベにも手を出してみようかなと思っているのです。「狼と香辛料」が1巻読んだきり途中なのでその続きから読もうかな。

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書評/ライトノベル

*1:勿論そういう作品が無いわけでは無いし、いわゆる文学作品との優劣があるとは思わない