- 作者: ジョージ・オーウェル,George Orwell,新庄哲夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1972/02
- メディア: 文庫
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SF小説の名作1894年をやっとこ読了。学生さんはホントに本だの映画だの鑑賞してる時間が山ほどあったなぁ…。今はあんまし時間が取れなくて電車の中でちょこちょこ読んでいた。積み本がガンガン増えていくなー。
さてさて未來のイヴ以来の本格SF。Wikipediaによれば「反全体主義思想のバイブル」とも呼ばれているようでとにかく徹底した思想統制がこれでもかというほど描かれている。
人間が考えることを制限されて、本作品の様に生きなければならないとしたら果たして生きている意味があるのかなぁ。生きている意味ってなんだってことになるけれど、単純に言うと快楽を得ることでしょ。楽しいこと、気持ちの良いこと、満足感、達成感、様々な快楽を原動力に人間は生きているわけで…だからこそ創造があって発展があるわけで。権力の為に権力を手に入れるという党は、結局何が目的なのかがよく分からない。
しかし、この世界を「あり得ない」と切って捨てることも出来ない。想像出来る世界は現実たり得るのだ!敵国を蹂躙することに狂喜したり、自らの正義を武器に相手の精神をボロボロにすること、男性と駆け落ちした娘を集団リンチで撲殺…。
クルド人少女の殺害映像、ネット上に公開 - イラク AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/1569467
うーむ…、宗教とか政治とか…何が正しいかはその立場毎に違うのだ。海のトリトンからずっと語り継がれているテーマである。
ところでリベリオンは間違いなく1984年にインスパイアされてる。物凄いリベリオン。凄い勢いでリベリオン。リベリオンではラストに1984年で言うプロレ階級らしい人々が暴動を起こし、人間らしい世界への希望を残してエンディングを迎えるのだが、本作は本当に真っ暗。ウィンストンは真っ暗どころか幸福感に満たされているのかもしれないが。