本名を知らずに付き合う気持ち悪さ

 最近オフ会というものに参加する機会が増えてきた。と言うのも、先日まで地方に住んでいた自分は、オフ会自体には大きな興味があったものの、距離的障害をいかんともしがたく、ただオフ板を眺めては地方オフの過疎さを嘆くばかりだったのだ。

 しかしこちらへ越してきて数ヶ月、障害は取り除かれて条件が整ったわけで、ちょこちょこと参加しているわけなのである。

 ところでこのオフ会における馴染めない文化の一つがある。それがハンドルネーム(以下HN)である。それぞれが自ら付けたその名前は、昨今のDQN親が子供に付けてしまうイタい名前よりもっと呼びにくい。呼びにくいし、口に出すのがためらわれる。というのも、そのHNが奇抜なものであることの他に、本名を知らないでその名前を呼ぶ気持ち悪さを感じるからなのだ。

 一般的に呼び名、あだ名、愛称というのは、本名を崩したり、何かのきっかけや特徴から自然発生的に生まれるものだと思う。そうやって生まれた愛称を呼ぶことは、その人のバックグラウンドと、人柄の理解の上に成立しているハズだ。しかしオフ会におけるHNには、そのプロセスが抜け落ちている。「呼び名なんて、その人を識別するラベルじゃん」と言われればその通りなんだけど、やっぱり人間の名前を呼ぶ、呼ばれるっていうのは、そんな識別目的のみであってはならないと思うのだ。名前を呼ぶこと、呼ばれることは、もの凄ーく重要で基本的なコミュニケーションだと考えている。そんな重要で基本的な行為を、その人が一体何者なのかを伏せておいて、奇抜な単語で交わしたくない…と感じるのは自分だけか。

なので基本的にオフ会での自分のHNは日本人の名字か名前になっている。