初音ミクが声優の仕事を奪うのはユーザー次第

つまり、すごく安くてそこそこ美味いジャンクフードが氾濫したら、手作りの味は消滅していく運命にあるかといえば、逆にそこに有難味が出てくるわけで、インスタント・コンビニな食べ物と、専門店の手作り料理と二極化したまま共存するのはありえるんじゃないか。

http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20070913/p4

 つまり初音ミクが声優の仕事を奪うかどうか、というポイントは、機械的に生成された人間そっくりに聞こえる「音声」をユーザーが愛せるか、という点に尽きると思う。逆にその音声が愛せる、その音声を持ったキャラクターを愛せる、というレベルまで技術的に可能になるのであれば、これは確実に声優の仕事を奪う、という結果になることは間違い無いと思う。

 まあそんなことは完全に無理だとは思うけれど…仮に声優の仕事を奪うとすれば、それ相応の芝居が出来なくてはならないわけで、そうすると、それを打ち込みで再現しなければならない。でもそんな面倒なことをやるくらいなら、人間にやって貰った方が明らかに楽だと思うのだ。ギャラを数万払ってでも。


 それからもう一つ、別の視点で初音ミクが声優の仕事を奪わない理由があって、それが契約上の問題。つまりこれら音声生成ソフトを製作するにあたって声優事務所側は、ソフト使用して制作したアニメーションを放送、販売することを認めないはずだ。仮に使用を認めたとして、使用するごとに出演料と同等かすこし少ないくらいの、ギャラ(放送への転用料ってことになるのかな?)を要求するのは間違いない。つまり役者側、事務所側からこれらのソフトが自分たちの食い扶持を奪わない対抗策を取るはずなのだ。

 でもあれかなぁ、今は人間からサンプリングしてVOCALOIDを作ってるわけだけど、その元となる人間すら必要無くなったら、この問題は解消されるな。

追記

Q5. このソフトで作成した音声データは、商用を含めて自由に扱えるのでしょうか?
A5. VOCALOID ソフトウェア使用許諾条件では、基本的には商用を含めて自由にお使いいただけます(VOCALOID で合成した音声データを利用した楽曲をご自分の CD 等でリリースすることは問題ありません)。ただし、いわゆる着メロと商用カラオケは別途ご相談いただくことになっております。公序良俗に反する歌詞や他人を誹謗・中傷するような歌詞を含む合成歌声の公開や配布はできません。ソフトウェアの使用の他に、音声ソフトウェア許諾について、ライブラリのディベロッパ各社の音声データ使用条件(パッケージにより異なります)もご確認下さい。

http://www.vocaloid.com/jp/general_faq.html

商用の楽曲には使えるらしい。そりゃDTMのソフトなんだから当たり前か。