ガルシア・マルケス - 落葉 他12篇

 この本を手に入れたのはいつのことだったか。本が好き!でかなり早い時期に貰って少しずつ読んでいた。今調べてみたら2007年の3月2日に献本の申し込みをしている…。もうほとんど1年か…!

 しかしこんなにまで時間が掛かったのは、本書の短編集という形態とガルシア・マルケスの作風が、私という飽きっぽい人間性と相性が合わなかった為だと思われる。

 丁度一年前というと、新潮社のガルシア・マルケス全小説シリーズの中のひとつである、「百年の孤独」が発売された頃で、私の回りでガルシア・マルケス熱が高まっていた時期のように思う。私もその波に乗せられて、「予告された殺人の記録」を読んだ(薄くて読みやすそうだった)。そしてその独特の世界観に入門していったわけである。

落葉 他12篇

落葉 他12篇

 で、この「落葉」。正直に言うと、この表題になっている「落葉」という短編小説は読了出来なかった。どうしても自分に合わない。訳が酷いんだろうか、それともこういう作風なのか、物凄く読み難い。
けれどもその他の短編は、そも短さのせいなのか、一度も止まることなく読み切れることが出来た。ガルシア・マルケス特有とも呼べる、現実感の薄い語り口調、今どこに存在しているか曖昧になる浮遊感、読み進めるほどに世界に溶け込んでいくような不思議な感覚だ。

 新潮社のページを見ると、この作品が書かれたのは、1947-55年となっており、ガルシア・マルケスのかなり初期の作品であることが分かる。「落葉」を読み進められなかった、この気持ち悪さはその作風が確立されていないためだったのかなぁ…?まぁ自分の素質の問題か。

落葉 他12篇

Amazonで購入
書評/海外純文学