へんな言葉の通になる-豊かな日本語、オノマトペの世界:得猪外明

へんな言葉の通になる―豊かな日本語、オノマトペの世界 (祥伝社新書)

へんな言葉の通になる―豊かな日本語、オノマトペの世界 (祥伝社新書)

 「オノマトペ」とは擬音語・擬態語を意味する外来語の事。この本では、日本語における豊かなオノマトペに関するエピソードを主に、その語源や、また外国語との比較などから新しい日本語の魅力に気付かせてくれます。

 頭がガンガン・胃がキリキリ・胸がムカムカ…などと日常に溶け込むオノマトペと呼ばれる言葉は、考えて見るとそういえば数限り無くある。日本語というのは、そのオノマトペの数が多言語に比べて異常に多いそうである。このことは日本人特有の性質に起因したものだと考えられるけど、言語に対する感受性の豊かさ、ということになるのだろうか。短歌や俳句などの表現に代表される日本人の言語的センスは、こんな所にも生きていた?また筆者は日本語の言語的特徴に基づくものだと本書の中で少しだけ考察をまとめている。大雑把に言えば、特徴ある言語を使用したことによって、日本人特有の言語的センスを獲得したということだろうか。

 ちなみにこの日本語オノマトペが、日本語を学習している外国人にとって大きな障害になるという。ズキズキ、シクシク、キリキリ、ジリジリ、ガンガン…と痛みに関する擬態語をサクッと集めてみたけれど、この感覚の違いをどう理解しろというのか!それに我々日本人でも、誰かが用いた表現が、自分の感覚にマッチするから借りてきて使っているに過ぎないわけで、誰かに教わったものでは無いはず。逆に言えば、言語的な感覚が定着する以前の子供にとっては、結構理解出来てしまうものらしい。だから海外に輸出されて翻訳された漫画の「ガラガラ」等の擬音語は「GARAGARA」だったりするらしい!

 また時代の流れで劇的に変化するのがこのオノマトペの厄介なところ。挿絵にあった未来人の会話が面白かった。「この時代はまだピケピケしてないの?」


以下は読んでいた中でのメモ

  • オノマトペは裁判所の記録の中には存在しない。
  • 三島由紀夫オノマトペを嫌っていた
  • 鳥の鳴き声+「ス」で鳥の名前:ホトトギス・カラス・ウグイス
    • 『昔の人には「ウークイッ」』『本田朖という本居宣長の弟子が書いた「雅語音声考」という本にちゃんと書いてある』
  • キタキツネの鳴き声を聞いたことがあるか?「コンコン」?

D

  • 日本語は対決に向いていない
  • 雑誌anan(アンアン)は創刊当時ロンドンの動物園にいたパンダの名前
    • 間違いのようです:本当はモスクワ動物園のパンダ
  • 鳴き声「ねー」+小さくて可愛いを意味する「こ」→ねーこ→猫