夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 読了。

 本作は「黒髪の乙女」と、その乙女にひそかに想いをよせる「先輩」の二人の異なる視点から交互に語られる。京都の街を舞台に夜の千斗町で李白さんという不思議な老人に出会い、下鴨神社の古本市で古本市の神様と出会い、そしてまた学園祭で…と沢山の出会いを繰り返している…にも係わらず「先輩」と「黒髪の乙女」との関係は一向に微妙なまま。そんな焦れったい二人の関係の決着はなかなかに鮮やか。

 森見さんの文体ってホントにオモチロイ。お話の構成も良かったし登場人物もそれぞれ魅力的。良いもの読んだ。オマケに巻末に羽海野チカのイラスト入りで押さえるツボがうまいね。