オール・ザット・ジャズ

この映画について下記の本でこんな風に触れられていた。

オール・ザット・ジャズ』(1979) - 主人公が台本を読んでいる間に心臓発作を起こすと、主観の音は全て消える。しばらくすると、テーブルに当たる鉛筆の音が静寂を破る。かすかな音が誇張され、大きな効果を上げている。

 演出家である主人公ギデオンと、出演者やプロデューサーと共に台本の読み合わせを行うシーンだ。読み合わせが始まると、その内容の面白さ、可笑しさに一同は大笑い、大盛り上がりするのだが、何故かその笑い声がどんどん遠くなっていく。代わりにギデオンの呼吸の音だったり、彼が発する鉛筆のコツコツという音、紙をくしゃっと握る音、立ち上がったり、何か物に触れたり…というギデオンが発生させる些細な音だけが聞こえるようになる。画面は憂鬱そうなギデオンと大盛り上がりの一同を交互に。部屋の中は笑い声が満ちているはずなのに、まったくそれが聞こえず、些細な音だけが誇張され続ける。ギデオンの異常を伝える非常に効果的な演出で、不思議な緊張感があってとてもかっこ良かった。

 たぶんこの映画何回か観てる気がするのだけど、物覚え悪くて何度もみてしまう。今回も冒頭のシーンで「あ、たぶんこれ観たことあるやつ」って思った。逆にそのくらい特徴的な演出だし、印象的な映像だったり音楽だったりが連続する。とても面白く観ました。

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 このヴィヴァルディと共に「it´s showtime folks!」だんだん狂気が見えてくる。明るい音楽とセットになってるところがまた狂気が増すようで素晴らしい。