ミクロの決死圏

 1966年のアメリSF映画。細胞レベルに小さくなった人間が、病気の人間の体内に入り、悪いところを直接内部から手術!ドラえもんで見た!

藤子・F・不二雄は本作と全く同じ物語を構想していて、本作を観た時、先に発表しなかった事を大変悔しがったという。しかし、『ドラえもん』にはスモールライトの使用により、母親の大切な宝石を誤飲してしまった源静香の体内にのび太ドラえもんが、乗った潜水艇(この潜水艇自体も、ワープ先の液体の量に合わせて元に戻ったり縮んだり出来る)ごと錠剤化して入ってゆくエピソードや、体内の不調を訴えたドラえもんの中に、のび太が潜入して問題を解決するエピソードがあり、いずれもパロディという形でそのアイデアを生かしている

この話は最終的に潜水艦を体外に出したと思うので、コッチのほうがSF的にあってるな!ミクロの決死圏は最後に裏切りもののクルーと船を体内に残しちゃったからなぁ…。ほんとに白血球が分解してくれたのだろうか。実は分解しきれなくて体内で元のサイズになってしまったら…と言うのはみんな考えたに違いない。

鉄腕アトム』の連続TV放映が原作よりも先行してシナリオ切れを起こしていたため手塚が1948年に発表した漫画『吸血魔団』を虫プロスタッフによりアニメ用にリライト、1964年9月「細菌部隊」というタイトルで放映。『鉄腕アトム』の権利を買い上げて『アストロボーイ』を一括管理していたNBC20世紀FOXがシリーズ中の1話を映画シナリオにしたい旨を手紙で打診し、NBC側はそのエピソードのシナリオを手塚の連絡先も添えて20世紀FOXに送る。しかし20世紀FOXから何の連絡も無く、数年立ってから本作が公開された。また後年手塚は、『ワンダービート スクランブル』で、特殊艇を縮小して体内からの医療行為をおこなう話を企画監修している。手塚は自著『ぼくはマンガ家』でこの件に触れ「腹も立ったが、お互い様」と割り切っている。

どっちのエピソードももWikipediaで見つけた。

 体内の描写がレトロでむしろ斬新。映画的にすごく明るく描写してたけど、ホントは真っ暗なんだろうな…。人間が小さくなるのは無理だろうけど、細胞レベルのカメラとかは現実が追いつくかもしれない。