トリスタンとイゾルデ

 オペラをちょっと見ようかなーって思ったときに見つけた映画。オペラでないことは分かっている。なんとなく「トリスタンとイゾルデ」はワーグナーの印象が強いけど、本来はもっと昔のケルトの物語だという。ヨーロッパでは有名な話のようだ。源氏物語みたいな存在なのかな。っていうか人間関係がかなり源氏物語と重なるところがある。源氏物語は桐壺更衣と死別した桐壺帝、新しく入内した藤壺の宮に恋してしまう光源氏トリスタンとイゾルデは妻に死なれたマルク王、新しく迎えた妻イゾルデと、父に隠れて恋仲のトリスタン。父親が結婚した若い女と繋がる息子ってもしかして世界中にある話なのかもしれない。ヤバげな恋愛関係というのは人々の好奇心をくすぐるということだ。不倫とかもみんなヤバいって分かってるけどやるよね。ヤバくて背徳的なところが、気持ちよさの核だと思う。だから有名人の不倫とかは皆で批難する。なぜなら自分は踏み込めないヤバくて楽しそうなことで羨ましいからだ。他所の家の男や女が他の異性と繋がってても別にいいだろ。自分の生活に何一つ影響ない。でも羨ましいから正義の名の下にボコるんだ。正義感でボコるのも楽しいからね。不倫で気持ちよくなる人間と、それをボコボコにして気持ちよくなる人間。なんだ、お互い得るものがあってよかったじゃん。平和じゃん。