リトル・ダンサー

 少年たちが夢に向かって行くストーリーというのはそれだけでワクワクしてしまうから困る。炭坑の街で、特別な事がなければその街で石炭を掘り続ける…という用意されたトロッコにのってしまえば楽で見通しのきく人生。まぁ石炭いらなくなっちゃうけど。敷かれたレールから抜けだして、バレエダンサーになるために町を出る。結果を残して夢を掴む。良いぞ。分かりやすいけど好きだ…ってこの話って完全にオクトーバースカイ(遠い空の向こうに)だな。設定から何からそっくりじゃないか。そしてこの文章も前の記事からコピペした。炭坑の街に住む若者の、未知への挑戦のお話がまたひとつ増えた。さぁ次はなんだ。

 ストーリーはもうちょっとヒネってもいいかなと思った。男性がバレエなんて…という1984年イギリスの状況や周りの目がやや分かりにくい。家族はオカマ野郎のやることだ!といって少年を批判するが、これだと単に家庭の中の問題のように思える。周囲の人々からも奇異の対象となってたりするような描写があったり、それを守る家族ってのがあると更に炭鉱ストーリーテンプレートが補強されるだろう。あとは状況描写に加えて、自分の中にダンスに対する喜びが生まれる感覚とか、スランプに悩むこと、成長を実感する瞬間…が、個人的に観たい。個人的に観たいだけ。