ここ最近の準児童ポルノ議論に思うこと

 日本ユニセフのキャンペーンを発端に爆発した、いわゆる準児童ポルノ議論。萌え理論Blogさんでまとめられているが、大変な関心度だ。

 このアニメやマンガを児童ポルノ扱いするか、という議論は、元々そういうもの*1を愛好するユーザーが多いネットの世界では、何度も繰り返されてきた問題ではある。今回再び、「日本ユニセフ」という団体がキャンペーンという形で具体化してきた訳だが、果たしてどのように決着するのか気になる所である。

 こういう時に思うのは、準児童ポルノに賛成だとか反対だとかそう言うことではなく、インターネットが匿名で良かったという事だ。

 そもそもこの問題、立場を明らかにすることは非常に微妙な問題を孕んでいる。特に準児童ポルノ規制に反対すること、ここには大きなリスクがある。つまり本質的には、表現の自由を過剰に規制することに対するオブジェクションだったり、犯罪抑制という点に対する疑問だったりするわけなのだが、それがどのようにメディアに乗せられ、人々に届くかというのは別問題、ということが要因である。今回ヤフーとMSという二つの巨大な企業がこのキャンペーンに賛同しているが、お互い何らかの具体的活動を伴っていないのは、完全にこの趣旨に賛成している訳ではないからでは、と考えられる*2。しかし仮にこの会社のどちらかでも、このキャンペーンに賛同できない、という立場を取ったらどうなるかと言うと「児童ポルノを容認するのか!助長するのか!」という飛躍した批判が世の中に行き渡ることになり、真意はうやむやになってしまうだろう。

 そう言った意味で、ネットの世界が匿名で言いたいことを言える、そういう世界で本当に良かった。メディアとしてはテレビ等に比べると圧倒的に影響力の弱いものではあるけれど、こうしてキチンと真意を殺されることなく意志を発表できる事が出来る、というこ一点において価値ある存在と言える。責任を取らずに言いたいことを言ってケシカランと見る向きもあるだろうが、その情報の価値判断は、読み手に委ねられている。面白い世界じゃないですか。

*1:アニメやマンガ、という意味。児童ポルノを扱ったアニメ、漫画という意味では無いので一応。

*2:個人的にはそうであって欲しい