けいおん!見た後の「楽器の買い方」(トランペット編)

 けいおん!を観て楽器熱がグッと入ったのでこの流れに便乗してエントリを書いてみる。
 軽音楽といえばアニメにもあるようにギターをメインにベース、ドラムやボーカルなんかで構成されてるイメージだけど、まぁ良いじゃないか。ギターじゃなくても。バンドの出来ない楽器は無いぞ。もっと選択・可能性の幅を広げるという意味で、ここではトランペットをこの機会に始めちゃおうじゃありませんか。

 まずは楽器を始めるに当たっての基本的な事は、先にエントリがありますのでこちらをチェック。

 簡単に要点だけ。激安楽器には手を出さない。チューニングが採れないとか、音色とか、そういう問題も勿論あるけれど、それで練習できないことは無い。一番大きいのはモチベーションの問題です。練習が面倒になったときに逃げやすくなってしまう。自分は大丈夫とか言わないで、ある程度の金額の楽器を悩んで買いましょう。

 基本的には楽器の練習ってのは楽しいことばかりではありません。最初のほんの少しは簡単な事だけでちょっと出来ても出来なくても、その試行錯誤が楽しかったりするので良いのですが、ある程度やると地味な反復練習の積み重ねだったりします。しかもそれで目に見える進歩があるかと言えばそうでなかったりする。「けいおん!」第4話で海でさんざん遊んだのにも係わらず、唯が一発耳コピやってのけるなんつーのは、フィクションとしてはありだけど、実際問題不可能に近い。一部の天才ってのはいるんでしょうが。

 楽器に限らないことだけど、上達するためには地味な積み重ねが必要なんです。でもその積み重ねによって、ある瞬間にポーンとステップアップします。そんなわけでその瞬間まで逃げられないように自分を縛っておくこと。それが分かりやすく「ちょっと辞めるには惜しい金額の楽器」だったりするわけです。

 そんなわけで長くなりましたが、本編。

トランペットの買い方

 貴方が学生ならば学校に吹奏楽部もしくは管弦楽部、どっちかはあるはずなのでそこに入部してトランペットを貸して貰う、というのが最も安価で、しかも恐らく指導者付で最も効率的にトランペットを学ぶことが出来ます。もしかしたらジャズ研でも良いかもしれません。可能ならば是非。ただ吹奏楽/管弦楽/ジャズがやりたい音楽かどうかという問題もあるし、また自分の楽器を持っていないと参加出来ない、というパターンもたまにあります。(ちなみに自分の楽器が無いと、他の足りないパートに回される可能性が高くなります)

 というわけで、ひとまずここでは個人で練習をするに当たっての買い方を紹介します。またここではなるべく選択肢を少なくする方向で紹介を進めたいと思います。トランペットって楽器はこだわればこだわるほど、パーツの選択肢が増えていきます。でもそれは入り口を分かりにくくする。ならばとりあえず中に入って貰って楽しくなってしまいましょう。

楽器の選び方

 先に挙げたエントリの中でも言及されていますが、楽器屋さんに必ず行くこと。最終的にネット通販等で買うことは構いませんが、実際に見たり触っておくべきです。ただ今後のメンテナンス等の事を考えると、楽器さんで購入した方が安心です。チェックのポイントは見た目と吹奏感。

 ギターなんかと違ってトランペットはデザインが大きく違ったりはしません。支柱の数や水抜きのデザイン、細かなパーツの微妙な差異はあるものの、あとは素材と仕上げによって表面の色が違う、という事くらいでしょうか。ちなみにそのそれぞれ差異によって音色は代わってくるのですが、敢えて見た目だけで決めてしまって良いと思います。勿論微妙な性格の違いというのはあるのですが、それを認識するまではある程度経験を積まないと分からない上に、結局奏者のさじ加減でいくらでも調整出来るからです。
以下はどのように音色が代わるかまとめたヤマハのページ。参考までに。
トランペット選びのポイント|はじめて楽器ナビ|ヤマハ株式会社

 それからもう一つのポイントが吹奏感です。トランペットを選ぶ際には、選ぶパーツは実は二つあります。一つは本体と、もう一つがマウスピース。このマウスピースは、直接口に付けて息を送り込むパーツです。このパーツとのフィット感が吹奏感にとってまず重要です。実はマウスピースの種類というのはそれこそ星の数ほどあって、この選択が難しくもあり、楽しくもあったりします。
Standard ラインナップ|トランペットのマウスピース|ヤマハ株式会社

 ですがここでは選択肢をグッと減らしましょう。大抵は本体に付属しているマウスピースが1本はあります。まずはそれを試しに口に当ててみます。そうしたら次にお店の人に「これより大きい奴と小さい奴を試してみたい」と伝えて適当に出して貰います。そして同じように口に当てる。一番ぴったりだと思ったマウスピースを手に入れて下さい。この「ぴったり」という感覚は完全な主観で大丈夫です。迷ったら付属のマウスピースで構いません。それが一番安価ですし、サイズ的には大きくもなく小さくもなく…というサイズが付属されているはずですから、初めの一本としては最適かもしれません。

 ちなみに「初めの」としましたが、マウスピースは比較的安価で買い換えの効く物なので、ある程度上達してから吹き方に合わせて変えるというのもアリです。

楽器の他に欲しい物

  • 教本
    • 必ず参考演奏CDが付属している物を買って下さい。個人練習するなら必須です。
  • メトロノーム
  • チューナー

あとは適当なメンテナンスの道具があると良いです。楽器屋さんにサービスするよう要求しましょう。

最初に手に入れるならこのトランペット

 さて前述したように激安楽器を買わないというルールの下、最初はコレという楽器をチョイスしてみます。

10万円以下で

マルカート TP-100GL

 下倉楽器という楽器屋さんのオリジナルブランド「マルカート」のトランペット。かなり安く価格帯を抑えてあるけれど特に問題があるわけでもなく、入門用としては優秀。このモデルの他にも素材やパーツ違いで豊富なラインナップがあるので、自分のやりたい音楽と相談して決めると良い。難点は扱っているリアル店舗が少ないので、試奏するのが難しいこと。
THE MARCATO TRUMPET ザ・マルカートトランペット

ZORO Custom BUILT Model ?

 こちらはシアズという楽器屋さんのオリジナルブランドZOROのトランペット。マルカートに比べてバリエーションは少ないが、同じ素材で比べればほぼ同等の金額か。「チューニング管」というパーツが2種類付属しているのも面白い。吹奏感の好みによって選べる。こちらも扱い店舗が少ないのが難点。
ZORRO(ゾロ)/Sanada&Co.(サナダボウエキ:眞田貿易)/オリジナル/トランペット/Trumpet/舶来管楽器シアズ(Shires)/

YAMAHA YTR-2335S

[rakuten:shimokura-wind:10000119:detail]
 ヤマハのステューデントモデルのうちの一つ。ヤマハの楽器はどれを買っても基本的に品質が良いのでハズレは無いです。これの一つ下位の1335という安価な選択もありますが、出来れば第1差抜管のトリガーがあるものを。ヤマハを扱わない楽器屋は存在しないはずなので、上記の2本よりは探しやすいはず。10万円以下ならコレが一番オススメ。可能ならこの上のモデル4335を値切って10万以下で変えるとベストチョイス。

20万前後

 10万以下で安いと感じたら次のクラスを薦めます。この間となる15万前後のクラスはスキップ。もちろんこの価格帯の楽器もあるのだけど、あとプラス5万円程度で最高級クラスが手に入ります(勿論もっと上を探せばキリが無いけれど)。価格帯でプロでも使うモデルが手に入るというのを考えると、トランペットって他の楽器に比べて安価な事が分かります。ちなみにこのクラスの楽器を手に入れてしまうと「俺が下手なのは楽器のせい」っていう言い訳が通用しなくなりますね。

YAMAHA YTR-8335 ZENO

 ヤマハのトップモデル。素材の違いでプラス5万まで選択肢があるけれど、このシリーズを買っておけばオールジャンルに一生使える。安心の国産クオリティで品質に個体差が少ないのが嬉しい。お店に飾ってある、実際試奏できるヤマハのトランペットはこのシリーズであることが多い気がする。

Bach 180ML

[rakuten:shimokura-wind:10000112:detail]
 YAMAHAと並んでトランペットと言えばこのメーカー、このモデル。こちらもオールジャンル対応で、勿論死ぬまで使える。作りにややばらつきがあるらしいので、出来ればプロの選定品を手に入れられると安心。このシリーズもZENO同様、素材の違いで+10万までの細かい選択肢があるので、これは楽器屋さんで是非相談して貰いたい。

XO トランペット SD/RV

[rakuten:liberty-it:10000225:detail]
 メーカーの営業努力の結果なのか、結構定番になりつつあるXOのトランペット。日本で設計、台湾で生産という仕組みにしているらしく、作りはしっかりしているのにYAMAHA、Bachに比べて安価。非常に素直な応答性の高さがこの楽器のポイント。

 さていかがでしょうか。金管楽器ってなんとなく高いイメージあるのかなと思うのですが、5万前後から十分選択可能ですし、これならちょっと頑張って手に入れることが出来ます。

 音楽をやってみたくなってしまった人、ギターも良いですがトランペットも格好いいですよ…!トランペットはとにかく格好いい!に尽きる楽器です(勿論主観ですがそんなの気にしない)。

 反応あれば次の機会に練習方法についてまとめます。