二人のローマ教皇

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カトリック教会における歴史的転換点をまたぐ2人のローマ教皇ベネディクト16世とフランシスコ。保守派と進歩派の壁をこえたその友情を、実話に基づき描き出す。

 実際のローマ教皇の交代を扱った映画。これってどのくらい本当の話なんだろうか。交代自体は本当に起こった事だし、事実に基づいて作られている映画ではあると思うんだけど、例えば二人で会話している内容までは本当じゃないよね。二人でどんな会話をされていたんですか、みたいなインタビューがどこかにあるのだろうか。

史実では、2012年にベネディクト16世とベルゴリオ枢機卿が会って双方の辞任について話した事実はなく、2人が会って話したのは2013年にベルゴリオ枢機卿教皇になった後のことである。2014年のサッカー・ワールドカップを2人でテレビ観戦したという事実もない。
wikipedia:2人のローマ教皇

 wikipeidaに答えがあった。んじゃ純粋に選出されただけということか…。

それぞれ保守派と進歩派で考え方が異なっていた2人の教皇。しかし2人は交代劇の1年前、非公開の会談をしている。2人は一体、そこで何を語り合ったのか。「2人のローマ教皇」は、インタビューや書籍で公開されている2人の実際の発言をそのままセリフとして用い、対話形式に構成することで、この歴史的な教皇交代劇の裏舞台を描いている。

https://www.christiantoday.co.jp/articles/27516/20191220/movie-the-two-popes.htm

 こんな記事も。んんん???どっち?会ったの?会ってないの?

 ポリシーの違う二人が徐々にコミュニケーションを通して、互いを理解し、最終的には教皇を譲り渡す&譲り受けるという関係に至る。よくある人間ドラマではあるのだけど、それが教皇という究極のポジションであるという事が、ドラマの全体的な緊張感になっているような気がした。演出も控えめで、会話を聞かせる静かなシーンが印象的。良い。アンソニー・ホプキンスベネディクト16世に似過ぎではなかろうか。あとコンクラーヴェの描写がとても神秘的で美しい。

ローマ教皇が自ら辞任を申し出るのは歴史上極めて異例であり、教会大分裂の解消のために1415年に辞任したグレゴリウス12世以来598年ぶりのことである。グレゴリウス12世の辞任は本人の同意が存在したとされているものの「教皇鼎立の解消」という政治的な事情が背景にある事実上の廃位であり、自身の意思で辞任するのは1294年のケレスティヌス5世の辞任以来719年ぶり、史上2人目となる。
wikipedia:ベネディクト16世_(ローマ教皇)

 劇中でも触れられていたと思うけど、教皇の交代というのは現教皇が逝去してからコンクラーヴェを召集し、新教皇を選ぶもの。生前退位というのはカトリック教会の歴史の中でも稀なようだ。しかし生前退位という前例ができた(復活した)のだから、今後もその選択肢はあり続けるのかもしれない。考えてみれば死ぬま教皇という重大な役目を任せておくのは大変な負担だ。体力的に無理があれば、どうしても万全でない、十分でない仕事があるのではなかろうか。どんなことを役割としているのかはよく知らないんだけども。

 
 もしかして平成天皇生前退位ってのもこれに影響を受けたとかそんなことはあるだろうか。全く違うものだとは思うけど、唯一無二の存在であることが共通点であり、その交代の仕組みも逝去、崩御であった。それを「加齢による体力の低下から、象徴としての職務を勤め続けることが困難になりつつあり」という話で生前退位。時代はそのように変わっているのかもしれない。