学校って何ですか?:で、伊吹さんは何をするのか

 昨日のNHKスペシャル「学校って何ですか?」の第2部を見て。第1部は見てないけど、第2部の討論を見れば何となくわかる感じ。

 タイトルは昨日の伊吹大臣の発言を聴いての感想。文科省は何をするんだ?「教育における国の役割」について議論が進むと、伊吹さんが「それは地方自治だから国の役割じゃない」みたいなことを言い始めて丸投げ。その地方自治をコントロールするのも仕事なんじゃないのか?予算編成だけでいっぱいなのか?言葉の端々に「その責任は俺に無い」みたいな意図があって不満。それから態度も悪い気が。話を聴いているときに背もたれにどっぷりつかって見下ろすような視線。すげぇ印象悪い。

 で、番組の中で注目された現在の教育で必要とされているのは

  • 教師のオーバーワークを解消すること
  • 地域社会(家庭も含む)が教育に参加すること
  • 権限を持つ人間を評価する仕組み
  • 学校の自発性を尊重する仕組み
  • 子供の視点で教育を考えること

と理解した。特に上4つは独立していなくて、例えば教師の負担を軽くしてやろうと思ったら、人間を投入しなくてはならなくて、そのため教師を一人追加すると年間1200万円かかるという。ならば教師では無くて半額の600万でボランティアを数十人投入したら良い、というのが和田中学校校長の藤原さんの話。つまり地域社会の教育参加。だけどそういう画期的なアクションを起こすためには校長や教育委員会の許可が必要らしく、「出来るのに出来ない」状況を抱えている公立校いくつもあるだろう。この権限のある人間をうまく評価する仕組みさえあれば学校の自発性を尊重した教育作りが実現するのでは、と思った。

 しかし既存の枠組みの中で働いてきた校長や教育委員がそれまでの流れに無い新しいアイディアを許可していくのは難しい気がする。その地位に上るまで相当な時間を要して、退職まであと数年というメンツだろう。誰かが言っていたけど「問題起こさずにあと数年勤めあげて退職」という安パイを切りたくなるもの分かるな。そういう意味では藤原さんの言う「10年で3000人、民間から校長を」というのは上記に挙げた4つの要素をうまく消化することの出来る可能性があると思う。

 最後に「子供の視点で教育を考えること」なんだけど、これはかなり難しい問題。確かに子供の教育を大人たちだけで論議して決定して、っていう過程には何か気持ち悪さというか、「当事者不在」という印象はある。けれども「子供の視点」を重視すれば、はっきり言って楽な方向に流れる気もする。仮に「子供の視点」を吸い上げようとして先生の評価を子供たちがしたとして、果たして大人がその結果をどう受け入れるのかは問題だ。「あの先生の授業はつまらん」という子供視点の評価が挙がってきたとして、果たしてそれをどう受け止め、どう活かしていくのか?

 それから基督教大学の教授が言ってた「夢を育む教育」ってのは絶対に無しな。夢とか希望とか、そういう曖昧なこと言ってたんじゃ何にも変わらないよ。

おまけ:こんな増田記事を見つけたので貼り。