今週末は屋外で楽器の練習でもするか…と思っていたけれど天候に恵まれなかったので、近くの図書館へ行ってしこたま本を借りてくる。こっちへ引っ越して1年ほどになるけれど、図書館へ行ったのは初。最近の図書館はネットで貸出状況が照会できたり、本の予約から貸出の延長申請まで出来たりと、テクノロジーが有効に使われているのだね…素晴らしいことだ。
そんなわけで今日は一日中(モンハンしながら)ブルックナーの本を読む。
- 作者: 根岸一美
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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昔はチャイコフスキーなんかの様な作風、(イメージの表現が適当かは分からないけれど)大地のエネルギーに充ち満ちているような音楽が大好きだったのだけど、最近はブラームス、ブルックナー、少し時代が飛んでバルトーク…そんな音楽が好きだ。共通するのは…頭文字「B」!!
ともかく「すげー派手な交響曲だな!なんか微妙にどれもこれも同じ雰囲気だけどパワーがあって面白いわ!」
というのをブルックナーには感じていて、それって言うのは貧困だとか、悩みだとかそういう内なるネガティブパワー(いわゆるルサンチマン?)が音楽っていう形で発散されているのかと考えていた。しかし実際の所、多少の壁はあれども自分で考えていたほどネガティブな要素が見あたらなく、少し拍子抜けした。
教師の父親の影響で音楽を始めて才能を見せ、先生に師事して確実に技法学び成績優秀、周囲も才能を認めて地位を与えられ、安定した収入を得て作曲を手掛け、評価を得ていく…。低俗な嗜好だが、ベートーヴェン様のような音楽家でありながら聴覚障害!みたいなドラマが欲しかった。欲しかったって。下品だな俺。
音楽家でありながら、地位を常に欲しがったというのもやや残念なエピソード。この時代から既に社会的活動には政治的なパワーが必要だったのだろうか。収入を得ることや博士号を得ることに執心したのは何故だったのか。そういう芸術家にそぐわない地位への欲求もあるかと思えば、死の寸前まで講義を再開しようとする教育への情熱も強かったりする。教育への情熱と言えば、その強い情熱、真面目さがブルックナー交響曲の大きな特徴、度重なる改稿に繋がったのだろう。
次は何故かよく分からないけどブルックナーと仲が良くなかったらしいブラームスについて読んでみよう。彼らは本書の中で1度だけ会って解釈をする描写があるのだが、それ以外は特になし。同年代の作曲家というライバル意識、ワーグナー派であるブルックナーへの敵対意識、そんなとこか。