ゲームサウンド制作ガイド

 作曲やらないので半分くらい読み飛ばしちゃったけど、著者が音楽の心理的な効果を様々な論文を印象して説明してくれるところがとても面白い。作曲家がこんなに研究や論文に詳しいってのはすごいのでは。いや知らないだけで、どの作曲家も研究結果とかを自分の作品に取り込んでいるのだろうか。なんとなくその辺は自分の直感とか好みでやってるような気がする。勝手な想像だけど。とにかく著者はその音楽に関する研究、心理的効果、そして他の効果的に音楽が生かされているタイトルなどを引用して、論理的に解説してくれる。具体的な作曲のテクニックとかそういう本では無いです。ゲームにとって音楽がどのように寄与するのか、ということについて考えられた本。

個人的なメモ。

p44
長調の音楽を聴くことによって聴き手は時間が実際よりもゆっくり進んでいると感じる。大音量の音楽によって時間が実際よりもゆっくり進んでいると感じ、速いテンポの音楽によってもまた、聴き手は実際に経過した時間よりも長い時間が経ったと感じる。複雑でない音楽は複雑な音楽よりもスローに感じられ、それは複雑さが主旋律により提示されている場合に顕著。

p47
悲しい音楽はプレイヤーの注意を単一の出来事や物体向けさせ画面上の他の一切のものを排除する力を持っている。楽しい音楽はプレイヤーの視野を広げてすべての映像を見せる力を持っているためプレイヤーはすべての視覚表現とそこで起こっている全ての活動に気づくことができる。

p112
人間の耳は速いテンポをしばらく聞くと麻痺してしまい、もはや興奮は感じられなくなる。音楽にゆったりとした要素を持たせることで早い要素を際立たせることができる。