- 作者: 美達大和
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01
- メディア: 単行本
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この本を読むにあたってベースにしたい考え方↓
「しかし美達よ、世の中には一足す一が二でない奴もいるんだ。全ての人間が道理を弁えて生きてる訳ではないんだ。二が正解と知っているのが大半だけど中には、三とか四、五の奴もいる。そういうようにしか考えられないんだ、そんな時に絶対にこれが正しいからと言ったって、相手には考えることができないんだ。だからこそ、こういう所へ来てるのもいるんだろう」
罪を犯す人々に限らず人間は自分の物差しに囚われるもの。「土台が違う奴もいること」を考えるのも結局自分の物差しだと言うことは非常に難しいけれど、その努力が物差し自体を柔軟なものに変えるのだろうか。
「合理的に考える奴ばかりでないのだから、話をしても分かり合えるはずがない。それに美達の話し方じゃ、反論の余地もない。どこにも隙がない。これじゃ相手も立場がないし、不満はあるけど論破できない状態でただ不満が募る。腹が立つの繰り返しだ。正しい事を言ってるのに我慢しろとは言わんけど、中には道理が初めから分からない、そもそも土台の違う奴もいることを考えてみろ」
完璧な人間は完璧で無いと言うこと。ちょっと隙がある位が人間的な魅力と信用を得る、というのはよくある話。