失敗の本質

小池百合子都知事が座右の書にあげたそうな。

 電車内広告で小池さんのコメント付きでオススメされてたので覚えていた。とにかく色々読みたいって精神状態の時に本屋で見つけたので買う。最近流行りなのだろうか、全面カバー帯。元々のカバーをデザインした装丁家の気持ちを考えると果たして良いことなのか迷うところだが、ジャケットを変えることによって簡単に今風にアレンジできるので、「今」売上を伸ばしたいだけなのなら良いのかも。ほとぼりが冷めたら元に戻せるし。

 本書は日本軍が負けた戦いに注目して、そこに共通する日本軍の敗戦パターン、ひいては失敗につながる日本人特有(?)のパターンについて分析していくもの。気持ちがあれば勝てるという精神主義
的な思考とか、やる気のある奴の意思を尊重して周りが遠慮するとか、戦争に限らず現代の生活の中にもばっちり根付いている悪しき習慣が…。帯に書いてある言葉だけでも耳が痛い。

  • なぜ日本人は空気に左右されるのか
  • 破綻する組織の特徴
    • トップからの指示が曖昧
    • 大きな声は論理に勝る
    • データの解析がおそろしくご都合主義
    • 「新しいか」よりも「前例があるか」が重要
    • 大きなプロジェクトほど責任者がいなくなる

 仕事の話に照らし合わせてみると、心当たりがある指摘がありすぎるのでは…。人間ってもしかして実は失敗から学べないのかもしれない。性能限界。痛い思いをして一度学ぶんだけど、追い込まれると結局根っこある性質によって同じ失敗の思考に陥ってしまうのかもしれない。

 SFとか小説っぽいものばかり好んで読んでいたのだけど、歴史に関する本を読むのも面白いなと思った。歴史を学ぶと人の失敗の歴史とその繰り返しに気がつくのかもしれない。気づいても避けようがないんだろうけど。過去、歴史に学んで失敗や滅亡を回避した事例があれば知りたい。