欲望

 原題は「BLOW UP」。写真を「引き伸ばす」とかそんな意味らしい。何故「欲望」?分からない。

欲望 [DVD]

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ストーリーをWikipediaから引用

1960年代のロンドン。若き人気ファッション・カメラマンのトーマスは、ある日公園の原っぱで戯れる中年の紳士風の男と若い女カップルを見かけ、彼らの行動を盗撮した。女はトーマスが自分達の写真を撮っていたのに気づき、ネガフィルムを渡すように懇願してきたが、いつのまにか一緒にいた男が消えたのを見るや否や、駆け出し去っていった。

トーマスはとりあえずその場を逃れたものの、女はトーマスのスタジオに突然現れ、再びフィルムを要求する。トーマスは女との駆け引きを楽しんだ後フィルムを渡すが、それは本物とすり替えた偽物であった。

トーマスは改めてそのフィルムをプリントする事にした。すると、のどかな風景として撮影したはずの写真に、何か違和感のある点が見つかる。その部分を引き伸ばし(Blow Up)してみると、そこには不自然な方向に視線を送る女、草陰から銃口を向けている人物、そして撃たれて倒れたらしき人物の姿が写し出されていた。トーマスは写真の真相を知るため、再び公園に向かう。

 時代的な背景を理解が必要なんだろうか。あの顔を白塗りにしてトラックで暴れ回っていた人々はなんだったんだろう…と調べてみたら「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれる1960年代に英国で起こった若者ムーブメントのややイメージ的な描写の模様。ヒッピー的なやつか。彼らの登場がなにやら作品を難解というか…白昼夢的な曖昧さを生み出しているのだが、個人的にはそういう歴史的な背景とか知らなかったので物凄くこの映画はシンプルに観た。

 が、シンプルに観ると結構なんにも無い映画。撮影シーンとかカメラを操る手つきなんかは格好いいし、ハービー・ハンコックが担当したジャズの劇判なんかも凄く良い。でもなんだか物語が消化不良のような気がした。途中まではサスペンス的な展開、「BLOW UP」によって徐々に謎が見えてくる下りもなかなか抑えた緊張感が気持ち良い。でも結末がなんだかモヤっとするのだ。