クルマ好きなのでこれは観ようと思ってたやつ。クルマを扱う映画はサウンドがどれも良い。豊田の社長も言ってた。
Q.豊田社長が乗ってみたい新しい車とは?
— NAO_M@WRX (@NaoM_tsum) 2019年11月2日
ガソリン臭くてね、燃費が悪くてね、音がいっぱい出てね、そんな野性味溢れた車が好きですね。
立場上「燃費も大切ですね」「騒音はダメですよね」って言ってますけど。
心の底ではね、車ってのはそういうもんなんですよ。 pic.twitter.com/heRiHalgZG
やかましく耳障りなサウンドはクルマの魅力のひとつ。爆音のクルマが街中をバンバン走ってくれれば、みんなクルマが欲しくなって若い人も無理してスポーツカー買うようになるに違いない。サイレンサーを外せ!直管マフラーで住宅街を走ろう。人々はその轟音の持ち主を羨望の眼差しで見やるに違いない。
そんな世界は間違いなく来ないのだけど、とにかくクルマ映画のサウンドは最高。映画館で聞くべきサウンド。
以下ネタバレありつつ。
作品全体としては、個人的にはちょっとだけ物足りない感じ。史実なので仕方ないと思いつつ、フィクションとしてエンタメするならば、もう一歩何かがあるところに何もない、という所が続いたような気がする。もちろんそれでも十分ドラマチックな物語なのだけれど。
個人的にもっとフィーチャーしてほしかったのは、タイトルの「vsフェラーリ」という所。フェラーリと対決するようになるという導入は良かったのだけれど、肝心の勝負については、フェラーリの故障というあっけない幕切れ。というかあっけなく演出されてる。その先のチームーオーダー的な結末のほうに映画の山場があるので、フェラーリとの勝負はあっさりと決着がついてしまうのだと思う。確かに全体を通して、フェラーリへの復讐というモチベーションで始まったスポーツカーの開発が、いつの間にか社内での権力闘争的な話になってる。フォードの2代目社長は話がわかる人のようにみえたけど、結局チームオーダーを受け入れるようなドライバーのプライドを考えないバカなんだなっていう落ちだし。それは覆してくれるのかなと思ったらそうじゃなかった。フィクションだったら最後に副社長をクビにしてスカッとしつつ、ケン・マイルズをぶっちぎりに優勝させてた。
そんなフォードのどうしようもない人々の話よりも、フェラーリを打倒するという所をもう少し劇的に盛ってほしかったところ。創業から高級スポーツカーに特化したフェラーリと、大量生産、コスト低減してクルマを大衆化したフォードと、社としての方向性は真逆。そのフォードがフェラーリに勝利するというストーリーはまさにエンタメ王道ではないか。24時間レースの難しいところは、そもそも完走するところ。それまで連覇していたフェラーリがリタイアしてしまったのは、フォードとの戦いの中でマシンの酷使を強いられたからだ。その物語の描写がもっと欲しかったぞ。