地球に住めなくなる日

 環境問題の意識高めてみっか!と思って本屋に平積みされてたのを買った。しかし環境問題って十年以上前からやってる気がするけどもなんか解決してないよね。フロンガスの規制くらい?気温が上がって氷が溶けて海面上昇して沿岸部が海に沈むしモルディブが消失するって話だし、石油資源は枯渇するし、酸性雨で世の中めちゃくちゃになるかと思ったけどなんか全部そうなってない。誰かの努力の成果なのか、それとも予想が間違っていたのか。しかしそういう「そうならなかったじゃん」みたいな結果が環境問題の認識を曇らせているのだと思う。そうならなくて「良かったじゃん」なんだけど、状況が悪くなって自分たちが困った記憶がないだけに、なんか環境問題がなかったことになってるのだと思う。あんまり生活は変えた記憶はないんだよな。それとも緩やかに変わったから気付いてないだけなのかな。ゆでガエル的な話?

 また環境問題については、科学じゃなくて感情で状況を訴えすぎる勢が結構いる気がして、それがまた面倒だ。問題意識を持つことで、そいつらと同じだと思われたくない。ヒステリックな環境問題声高マンだと思われたくない。環境問題って特にこの日本で暮らしている分にはいまいち実感がない。でも見えないけれどもじわじわと迫っているらしい。コロナじゃないけど、目に見えてない恐怖ってのは鈍感と敏感が極端に存在して醜い争いをすることになる。その醜い人々の一部だと思われたくない!!!環境問題に対する意識とか行動とかが、もっとカジュアルでポジティブな認識、さらにはちょっと利益の出る行動にならないものか。結局ちょっとのニンジンが無いと人は動けない。

 ところでこの本はズラズラと気候変動が引き起こすかもしれない影響について色々書いてあるんだけど、リストみたいに並べてあるだけで本当のことなのか嘘なのか、因果関係なのか相関関係なのか、全然わからん。注釈がついてるといえば付いてるんだけど、QRコードで飛ばされてネットみなきゃならないし、注釈も論文や本のタイトルが紹介されてるだけだし、それ以上掘り下げるのがすごく面倒。色んな人がこんなこと言ってますよ、大変ですね、気候変動はこわいよね、でも対策しても今世紀末には3℃くらいあがっちゃいますけどね、みたいな悪い意味で意識高い感じの嫌な感じで、時々ビル・ゲイツを批判したりする。じゃあどうすりゃいいのさ、みたいな話も割と感情の話で科学じゃない。こういう論者が環境問題を怪しくしているんだけどなぁ…。もちっと科学的事実を紹介してくれる本が良かった。なんか感情、不安だけ煽るタイプの、瞬間的消費だけを狙った雑誌的な内容。ニューヨーク・マガジンの副編集長だってさ。そういう雑誌なのかな。