2022年はイマイチだったという個人的なまとめ

 昨年末はなにか仕事の退屈さがずっと意識の中にあったように思う。本当は1年を振り返りたいのだけど、1年前の記憶なんかない。1年は長くて短い。だいたい3ヶ月前くらいからの記憶で今の気持ちはできているので、今の私は3ヶ月前から生まれている。仕事が退屈になってきた。

 まず最初に内容が退屈だ。理屈や文脈のよくわからない、もしくはめちゃくちゃ安易であったりご都合でいい加減であったり…そういう案件について、まともに成立させる方法を考えなくてはならなかった。なんでこの仕事がそもそも存在するのか。この程度の内容でビジネスが成立すると考えているセンスの無さよ…。いや、よく考えたらそんなひどい案件はたくさんはなかった。2割くらいかもしれない。しかしその2割が及ぼす心のダメージよ。そりゃ1年を振り返れば少ない割合であるが、その案件に向き合っているときは心のエネルギーはその案件に100%なのだ。つまらない仕事をしたくない。そんなの全人類が考えるが、自分にとってつまらない仕事でもそれを求めている誰かはいる。そのマッチングの不幸がネガティブな感情として排出されることになる。

 世の中はネガティブな感情で溢れている。インターネットのことです。バカバカしくて興味深くて意地悪だけども善意のあるインターネットがおれは好きだったんだけど、それはもう失われてしまった。インターネットは承認欲求とルサンチマンの感情を排出する装置になっていると思う。インターネットやめろ。周防サンゴも言っている。

www.youtube.com


 仕事の退屈さに話を戻そう。案件内容のブルシットさもさることながら、スケジュール進行のいい加減さもひどい。これは一部の案件とかじゃない。殆ど全部だ!全部は言い過ぎかもしれない。しかし8割はスケジュールがめちゃくちゃ遅れる。多少の遅延はあらゆる計画にあることだ。もちろんそのことも考慮に入っている。これまでの実績からどのくらい遅延するものなのかはケーススタディとして蓄積があるし、なんとかなるやつとヤバいやつの状態もだいたい分かる。しかしこの8割はヤバいとかいう状態をぶっちぎってスケジュールの再調整が必要になるほど遅延する。スケジュールを守るという最低限の共同作業のルールが破壊されているのだ。するとおれのモチベーションはめちゃくちゃ下がる。もうどうにでもなれという気分になる。品質とかどうでもいいし、自分のクリエイティブもどうでもいい。だって約束が守られていないのだから。最低限の約束を破壊されて、でも納期はずらしたくないワとか平気な顔しているんだから、品質と一緒におれの熱意だって投げ捨てます。そうして路傍に投げ捨てられた熱意は腐ってインターネットに排出される。ネガティブ感情排出装置インターネット。

 なんで遅延するかという理由のひとつはもちろんコロナ…と言いたいところだが本当は違う。当然コロナ感染によって直接的にそれで人がいなくなったり、抜けた労働力の調整で人員の奪い合いに負ければ作業は遅延する。働き手はいるんだろうけど、品質の高い職人は多くない。しかしもうコロナを理由にした「怠惰」による遅延の方が、原因としては大きくなっているように思う。サボっているから進捗が悪いのか?それともスケジュール見積もりのできない営業が安易に無茶な条件で引き受けているのか?そしてあちこちに遅延がはびこることによって、遅延に対する罪悪感が薄まってきている。割れ窓理論だ。いまや校舎の窓ガラスに尾崎分が残されていない。

 そしておれたちは割れた窓ガラスの校舎に対応し始めた。最初は善意だった。風の吹き込む校舎は大変でしょう、寒いでしょうと遅延にも対応した。防寒着や毛布を用意するようなものだ。割れた窓はそのままなので治安の悪さは変わらないものの、なんとか教室で授業ができるようになった。そしたらどうなったかというと、あいつらは窓ガラスを直すのをやめた。だって授業できてるんだからいいだろって。期限付きだった善意は通常業務になってしまった。そしてやはりモチベーションが下がる。

 なぜか治安の悪い学校の話になってしまったけど、つまりは応急処置だったものが常態化してしまったということ。その理由は怠惰だ。決して戻せないからじゃない。人間は易きにながれる。

 もちろん自分自身のクズさもある。退屈な内容や、怠惰なスケジュールに抗えない。それを拒否できない。無力感にも襲われる。モチベーションが下がるというのも外的要因のようで自分の感情の問題だ。なぜそれをコントロールできない。自分を幸福にしろ。いつの間にか状況に流されることばかりで、主体的に状況に関わったり主張したりすることが少なくなっている。そして珍しく主張した意見が不採用になって、退屈で淀んでいた精神がネガティブ方向に加速した。それがこの直近3ヶ月の出来事。

 個人を殺して状況に流されるのは、正直生きるカロリーが抑えられる生き方だ。しかし抑えたカロリーをおれはどうしたか?なにかに転換したか…というと、インターネットにくべて燃料にしたな。YouTubeばっかり観てた。というか観ながら仕事してた。楽しかったよ、ありがとう2022。でも仕事をもう少し楽しくしたいな。もしくは違う仕事をしたい。