その公務員批判は操作されている

エリートニートが学ぶ
http://mo2.xxxxxxxx.jp/jump.html

 最近流行の人気漫画に学ぶ就労問題シリーズ。そのまとめサイト。言ってることは真面目な内容だが、彼らがそのことを口にするのが面白い。特にドラゴンボールのキャラクターを使って、無職、フリーターの問題を扱うのが特に面白い。ホント、彼らは何で暮らしてるんだろ。天下一武道界ってそんなに賞金貰えるのか?そんなに何度も優勝してたっけか?魔神ブウ以降はMr.サタンに何とかして貰ってるんだっけ?まぁ漫画の世界の経済を考えたところで答えは無い。

 さて、次々と発表されるシリーズを「台詞とコマのチョイスが秀逸だなぁ」などと面白おかしく観ていたのだが、「仙水忍に学ぶ公務員制度」。これだけは素直に楽しめない。その理由が、この漫画における公務員の誤解。自分も全ての公務員の実態を知っているわけでは無いので、これから書くことにも誤解が含まれているかもしれない。

 このコラの大きな誤解は、公務員は決して「オイシイ」だけの仕事じゃないということ。大きな失敗をやらかさない限り、その身分が「安定」しているだけだ。実は自分の父が地方公務員だから、その点については分かるのだが、給料は決して高くないし、サービス残業は当たり前。暇じゃない。定時になんて帰れない。給与はカットされる論議ばかりが盛り上がり、一旦下がってしまうと昇給は難しい。せめて安定している給与すら仇になって、景気が良ければ相対的に低くなるし、しかし景気が良ければ「公務員に給与を払い過ぎだ」と叩かれる。可哀想になる。そしてただのやっかみで公務員叩きをする人々が憎くなる。

 そういう公務員叩きをする人々にまず言いたいことは「なら公務員になれば良かったじゃないか」ということ。何も公務員が国に保証された安定した職業だということは、今に始まったことでは無く、その恩恵に預かりたければそう選択すれば良かっただけの話。しかるべき試験をパスすることが出来れば、誰でもその地位が得られる。それなのに、自分自身でその選択肢を破棄しておきながら批判することは、少し疑問を感じる。また、「自分たちが汗水流して稼いだ金を納めているんだから」という点で批判する人は、自分がサービスを受ける事ばかり考えていないか?不祥事にだけ脊髄反射していないか?見方を変えれば納税者は出資者のようなものであり、その運営について関心を持って見ていたのだろうか。せめて当たり前に存在している公共サービスに対する感謝*1はあるのか?それ抜きにして批判の資格は無い。

 勿論、高給を取る公務員も存在して、その地位にあぐらをかき、また甘い汁をすする公務員も少なからず存在することは事実だが、そのような人間は組織の中に必ず発生するものであり、貴方の会社にも存在する。だからといってその存在は容認出来ないけれど、その小さな悪を捕まえて烈火の如く批判するマスコミの報道に、簡単に操作されないで欲しいという事。犯罪を犯してしまったアニメファンやゲーマーがその集団の例外であるだけであるように、公務員全てが悪では無い。大多数の公務員は社会的弱者*2でありながらも忙しく真面目に、そしてクレームに怯えながら働いている。

 単純に公務員擁護をするわけでは無い。自分たちが収めたお金で働かせているのだから、しっかり監視していく必要はある。しかし真面目に働く公務員は幸運にも多く存在して、我々の生活を影から支えている。そういうことを理解して貰えれば幸い。最後にそんな公務員の姿や本音が垣間見える記事の紹介↓。

がぶり寄り: 霞が関は「不夜城」だった!
http://kokkoippan.cocolog-nifty.com/gappuri/2005/02/post_14.html

月刊チャージャー:国家公務員の言い分
http://promotion.yahoo.co.jp/charger/200612/contents01/theme01.php


ネタで作られたコラにこんなに反応してしまうとは。いや完成度が高かったもので。

*1:客は神様では無い

*2:批判に晒されやすいという意味で